「かゆいところに手が届く」操作性
新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要でヒットする以前の18年ごろから、自動調理器は人気を集めていた。自動調理のできる「バーミキュラ ライスポット」がヒットしたのは17年だ。21年末の発売はかなりの後発だが、それだけにハイアールは既存商品の不満点をよく研究している。
例えば、自動調理器の多くは操作盤が側面についているが、ホットデリは天面についている。これは、床上100センチメートルくらいのところに置いて調理をすることを想定した場合、上から見て確認しながら調理できる方が操作性は高いという判断からだ。

今のところ、ホットデリと同じ無水かきまぜ方式を採用している自動調理器は、21年9月中旬発売の水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」(シャープ)のみ。ホットデリは少人数世帯向けのコンパクトサイズ1種類だが、ヘルシオ ホットクックは定格容量を1リットル、1.6リットル、2.4リットルの3タイプで展開している。一番コンパクトな1リットルサイズの実売価格は3万7500円(税込み、編集部調べ)と、ホットデリよりもやや高め。しかしこの2社の無水かきまぜ方式がヒットすれば、自動調理器の第2次ブームが起こるかもしれない。



(文・写真 ライター 桑原恵美子)
[日経クロストレンド 2021年12月3日の記事を再構成]