自分を曲げざるを得ない場面も

正義を貫く善人・味方側だった人物が悪人・敵側(ダークサイド)へ落ちることを「闇落ちする」と言いますが、社会派ドラマでは、重要人物が闇落ちすることも少なくありません。

このドラマのなかでは、エリオット・椿というテロリストが喜多見をダークサイドへ引き込むために、喜多見の最愛の妹を殺害するというひどい仕打ちを仕掛けてきます。それでも、喜多見が闇落ちすることはありませんでした。喜多見の妹に好意を抱いていた音羽も、警察に撃たれ瀕死の状態となった椿の命を救うために全力を尽くします。

ドラマの序盤では、組織の歯車のなかで自分を押し殺していた音羽。MERチームのメンバーとともに救命活動をしていくなかで、「長いものには巻かれろ」との考え方が徐々に変化していきます。

しかし、2人とも闇落ちせず、自分が正しいと思う選択をし、自身の正義を貫き通しました。

闇落ちという表現は大げさかもしれませんが、どのような業界やビジネスであっても、誰かになびいたり妥協したりする形で自分を曲げざるを得ない場面も多々あることでしょう。

それは組織における協調性やバランス力でもあるため、ビジネスパーソンとして必要な能力やスキルであるともいえます。ですが、明らかに正しくない事柄に同調したり、自分を曲げ続けていたりすると、望まない道を進んでいくことになりかねません。

このドラマにおいても、MERを解体に導くために設定された最終審査会にて、解散に導くような本意でない発表をするよう民自党幹事長から命令された音羽が、もしそれに従っていたら……。きっと、自身が望まぬ道を進むことになったでしょう。

最終的に迷いを捨てた音羽は命令に逆らい、MERを存続させるべきだと力強く訴える道を選択しました。その訴えは、ドラマのなかで医師でもあるという設定の厚生労働大臣の心を動かすきっかけとなりました。

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共通項見いだし、共感値高めたメッセージ