
ビジネスパーソンに腕時計のトレンドや機能を分かりやすく動画で伝える「編集長探訪」。今シリーズのテーマは「アクティブ」です。リモートワークからオフィスへ、国内外の出張へと、再び活発に動き出した方々にぴったりの時計を探しに行きました。
みなさんは「NATOストラップ」という名前の時計のベルトを聞いたことがありますか。これは第2次世界大戦中に英国のパイロットや航空士が使用した、革やキャンバス製のストラップが起源です。軍隊仕様ならではの、頑丈で外れにくく、耐水性に優れているのが特徴で、普段のベルトをこれに付け替えれば腕時計の印象が大胆に変わります。近年はバリエーションも増え、一段と人気が高まっています。
NATOストラップのバリエーションで定評があるのがオメガです。オメガブティック銀座を訪ね、ブティックマネージャーの大島耕太さんにお聞きしました。ご自身もNATOストラップの大ファンだそうです。
ずらりと並んでいるのは遊び心にあふれたカラフルなNATOストラップ。大島さんご自身も明るい色のNATOストラップを付けたスピードマスターをしていますが、スーツにもぴったりですね。「レトロな見た目もいいでしょう? 現在、単色から国旗のデザインをモチーフにしたものまで、56種類のカラーバリエーションをそろえています。いつもの時計をより自分らしく見せることができるからと、何本も集めるコレクターがいるほどです」
ひと目で分かる国旗の色の組み合わせや、レインボーカラーなどの多彩な色味は、手持ちの時計をぐんと華やかな印象に変えます。一方で黒やオリーブグリーンといった落ち着きのある色に付け替えると、今度はシックで、まったく違う表情を見せます。「簡単に付け替えられ、どんな手首にも合わせやすいように設計されているのがNATOストラップのよいところでもあります」。しなやかさもあるため、フィット感も抜群です。
大島さんはドレスウオッチやクロノグラフなど異なるイメージの時計に、様々なNATOストラップを組み合わせて楽しんでいます。なるほどカジュアルなダイバーズにも合いますが、3針といったクラシックな時計との組み合わせも魅力的です。文字盤が黒、白といった無彩色ならば、どんな色のベルトも似合いそうです。もっとも大島さんによれば「断言します。合わない時計はないんです」ということでした。
行動範囲が広いアクティブなビジネスパーソンにとって、着せ替え用のNATOベルトは心強いアイテムです。何本か持ち歩けば、ビジネスの場では落ち着いた黒、ディナーやパーティーの時は遊びの色といったようにTPOに応じて1本の時計を楽しめるからです。海外出張の際に訪問先の国旗カラーのベルトを着ければ、取引先との会話がはずむかもしれません。カンバセーションピースとしても、NATOストラップはおすすめです。
(Men's Fashion編集長 松本和佳)