他行との違いはシステム障害への備え

4章では監督官庁である金融庁の見立てをまとめ、5章ではこの1年から大きく歴史をさかのぼり、02年と11年に同じくみずほ銀行が引き起こした大規模システム障害を振り返る。続く6章では他の金融機関との比較を通じて「なぜみずほ銀行でだけ、何度も障害が起きるのか」を考察、再発防止策などからみずほ銀行は立ち直れるのかを考える第7章で本書を結ぶ。

みずほ銀行以外でもシステム障害は起きている。だが、何千、何万人もの顧客が迷惑を被ったり、経営に打撃を与えたりするような事態は発生していない。その違いは何か。「はっきり異なったのは、システム障害に対する備えだ」と本書は指摘する。さらに「システム運用の軽視」も見逃せない。「今後取り組む最大の課題は、システムの保守・運用体制の再構築だ」との指摘で本書は結ばれる。

「金融関係の会社が多い地区だけに入荷したすぐあとに2冊、3冊と売れていった。これからも伸びも期待できる」と店長の加藤よしこさんは話す。金融関係の本を集めた書棚脇に設置した平台に、2列11冊を並べて面陳列し、その上にはMINORI開発の経緯をまとめた前著『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』も面陳列で並べて相乗効果を狙う。

米のロングセラー『本物の交渉術』が2位に

それでは先週のベスト5を見ておこう。

(1)人を動かすモチベーションファクター実践手法山口博著(耕文社)
(2)本物の交渉術ロジャー・ドーソン著(KADOKAWA)
(3)ビジョナリー・カンパニーZEROジム・コリンズ、ビル・ラジアー著(日経BP)
(4)年収300万円FIRE山口貴大著(KADOKAWA)
(5)Amazon Mechanism谷敏行著(日経BP)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2022年3月21~27日)

1位は効果的な能力開発プログラムを紹介した本。2月に本欄の記事〈交渉術の名著初邦訳 相手に勝ったと思わせるのが理想〉で紹介した本が2位に入った。3位も21年8月に本欄の記事〈NETFLIXも熟読 「ビジョナリー・カンパニー」の原点〉で紹介した本で、発売から半年が過ぎても上位に顔を出す息の長い売れ筋になっている。4位は、FIRE(経済的自立と早期リタイア)指南本。月の手取り20万円からのFIRE術を説く。5位には、元アマゾンジャパン幹部がアマゾンの事業成長のメカニズムを体系化した1冊が入った。今回紹介したみずほ銀行のシステム障害を検証した本は先週はランク外だった。

(水柿武志)

ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告

著者 : 日経コンピュータ
出版 : 日経BP
価格 : 1,980 円(税込み)