旬の食材と旬の塩で食卓で季節を感じるのもいい

旬の塩に旬の食材を合わすのがベスト

では、この四季の塩を食卓でどう活用すればいいだろうか。それはもちろん、季節の食材と合わせること。少量の塩で食材の持つ特徴やおいしさを存分に引き出すことができる。四季の塩を食卓に全部並べて、食材につけたりかけたりして、合う合わないを試してみるのも一興だろう。ご参考までに季節の塩と相性の良い食材をいくつか挙げてみる。

▼春の塩

【相性の良い食材】

山菜、キャベツ、きくらげ、クレソン、ルッコラ、春菊、さやえんどう、たけのこ、新玉ねぎ、ニラ、いちご、グレープフルーツ、カツオ、タイ、シラス、白魚、サワラ、メバル、タコ、ワカメ、モズク、ハマグリ、アサリ

【おすすめの料理】

山菜のてんぷら、たけのこの炊き込みごはん、ルッコラとクレソンのサラダ、春菊のごまあえ、ニラのおひたし、カツオの塩たたき、サワラのカルパッチョ、タコのセビーチェ、グレープフルーツを使ったカクテル、ハマグリのお吸い物など

▼夏の塩

【相性の良い食材】

枝豆、アスパラガス、インゲン、オクラ、キュウリ、シシトウ、トウモロコシ、レタス、トウガン、トマト、ゴーヤ、梅、スイカ、さくらんぼ、イチジク、メロン、桃、アジ、穴子、アユ、イワシ、マグロ、太刀魚、昆布、サザエ、牛肉、鹿肉

【おすすめの料理】

枝豆の塩水漬け、ゆでアスパラガスと卵のサラダ、トウモロコシの天ぷら、レタスの塩炒め、冷やしトマト、アジの塩焼き、穴子の白焼き、アユの塩焼き、塩漬けマグロ、ローストビーフなど

▼秋の塩

【相性の良い食材】

カボチャ、サツマイモ、里芋、きのこ類、ナス、チンゲンサイ、カブ、栗、ユズ、リンゴ、カリン、熟した柿、かぼす、サケ、サンマ、カツオ、エビ、イカ、皮付きの鶏肉

【おすすめの料理】

カボチャの塩煮(サツマイモ、里芋でもOK)、塩きのこ、焼きナス、チンゲンサイの塩炒め、ふかし栗、サンマの塩焼き、タルトタタン、イカの刺し身、チキンソテーなど

▼冬の塩

【相性の良い食材】

カブ、大根、カリフラワー、セリ、ゴボウ、レンコン、小松菜、ほうれん草、人参、長いも、いよかん、レモン、サバ、タラ、ハマチ、ヒラメ、フグ、ブリ、ワカサギ、カキ、豚肉

【おすすめの料理】

大根の浅漬け(カブでもOK)、カリフラワーペースト、セリと豚肉とゴボウの鍋、ワカサギのフライ、塩レモン、焼き長いも、ハマチやヒラメの刺し身、ブリの煮物、カキフライなど

1つ注意してほしいのは、塩をどのくらい必要とし「おいしい」と感じるかは、その人がその日どういった生活を送ったかによっても異なる。汗をたくさんかいた人やカリウムを含む食事を多く摂っている人は自然と多めに塩をかけたくなったり、味のボリューム感がある夏の塩などを欲しがち。汗をかいていない人やナトリウムが多めの食事を摂っている人は塩の量は少なめで、繊細な味わいの冬の塩が欲しくなるだろう。全員がおいしく食事を終えるためにも、ベースの味付けはぜひ薄味で仕上げて、自分の好きな塩を好きな量かけて食べるようにしてみてほしい。こうすることで、健康面でよい影響があるだけでなく、塩を途中で変えることで味の幅が広がり、楽しみも増える。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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