日経xwoman

2022/10/7

「17%が経営層目指す」数値は高いのか?

連載2本目「多様性の先進組織で働く女性『経営層目指す』17%回答」では、組織のダイバーシティと、女性の「将来なりたい立場」の関係性について調査。組織全体でダイバーシティを理解・促進する「多様性先進組織」に勤める女性のほうが、経営層や管理職への挑戦意欲が強いことを紹介しました。

2021年10~11月に働く女性2482人を対象に行ったアンケート結果。「多様性先進組織」で働く女性の17%が「経営層」を目指しており、「管理職やチームリーダー」も含めると36.2%がリーダー的ポジションを目指している。一方で「多様性ゼロ組織」で働く女性は、リーダー的ポジションを目指す人の割合が24.4%にとどまり、「指示された仕事を忠実にこなす立場」を目指す人の割合が20.1%に上っている

このデータについて読者からは「全くその通りだと思う。ダイバーシティをうたっているものの、意思決定層には女性が全くおらず研修勉強会も全くないわが社は変わるべきだと強く思う」(45歳・男性・IT/情報/通信・企画・マーケティング)などの意見がありました。さらに、「17%が経営層を目指すという数値は、果たして低いのか高いのか。同様の調査を男性に対して行った際にどのような回答になるのか?」(45歳・女性・医薬品・開発)という疑問も寄せられました。

上記の結果について納得・理解できるかどうかを選択形式で聞いたところ、「おおいに納得・理解できる」59.6%、「まあまあ納得・理解できる」26.3%、「あまり納得・理解できない」10.5%、「全く納得・理解できない」3.5%で、8割以上が「納得・理解できる」という結果でした。

2022年6~7月に調査。N=57(女性52人、男性5人)

「納得・理解できる」と答えた人からは、ダイバーシティのある企業では、従来の枠にとらわれない多様な管理職の姿が受け入れられやすく、ロールモデルも見つけやすいのではないか、という意見が集まりました。

周りのサポートなしでは挑戦する気持ちすら起きない

■多様性の高い組織のほうが、リーダー像や管理職像も多様で、従来の長時間働いてぐいぐい引っ張っていくような古い管理職のイメージにとらわれずにすむ(33歳・女性・IT/情報/通信・開発)
■組織でダイバーシティに取り組んでいる場合は、幹部と他社員に対して何らかのキャリア教育がなされていたり、ロールモデルになる人がいたりするのだろうと思いました(50歳・女性・IT/情報/通信・開発)
■自分のキャリアアップしたあとの働く姿をイメージできるかどうかは、管理職になるにあたって大事だと思う。管理職=完璧でなくてもいい、育児などがあっても助けを借りて職責をまっとうできる、とのイメージが持てているのかなと感じる(27歳・女性・マスコミ・法務)
■特に子育て女性の管理職は時間に制約がある場合が多く、周りのサポートなしでは挑戦しようという気持ちすら起きないと思うから(45歳・男性・IT/情報/通信・企画・マーケティング)

実際に子育てをしながら管理職として働く人からは、「多様な働き方を認める環境でなければ、管理職は難しい」との声が寄せられました。

■管理職になるといろいろいいこともあるが、やはり業務負荷も上がってくる。私も小学生の子どもを抱えて、子どもの事情で仕事の中抜け・休みを駆使しながら働いているが、もし昔ながらの上司(=滅私奉公できないやつはいらない)だったら、管理職にはなれていなかったと思う(49歳・女性・食料品・SE)

また、一方で、「納得・理解できない」と答えた人たちからは、女性のキャリア意欲に違いが生じるのは「組織のダイバーシティが原因ではないのでは」との指摘がありました。

■(組織のダイバーシティに限らず)結婚、子育てなど、さまざまな理由でキャリアを断念する女性は多い。子育てや家事を平等にすることから考えなければ変わらないのでは? 例えば、夕食は女性が作って当たり前、子どものお迎えも女性がやって当たり前。飲み会も女性の大半は家を出にくい、スケジュール調整が難しい、家族に嫌な顔をされるという意見が多い。そういう積み重ねでキャリアをあきらめるのだと思う(47歳・女性・電機・SE)
■弊社ではダイバーシティの進捗度による管理職への意欲の影響は感じないし、女性だから管理職になれない、ということもあまりないと思う。 一方で、「自分は頑張っているのにどうして評価されないのか」と騒ぐ人もおり(=女性が正当に評価されていないという思い込み)、そういった声ばかりがダイバーシティ推進部署で取り上げられがち。上司から部下へのフィードバックが不十分なのかもしれない(42歳・女性・化学・研究職)

感想を寄せてくれた皆さん、ありがとうございました。

(文 久保田智美=日経xwoman編集部)