
スポーツ部門を受賞した東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手にとって2022年は記録ずくめの年となった。夏にはプロ野球史上初の5打席連続本塁打を達成。シーズンの最終打席で56号本塁打を放ち、王貞治さんを抜いて日本人選手の最多記録を更新した。史上最年少の三冠王にも輝き、チームのリーグ優勝に大きく貢献。尊敬と驚嘆を一身に集め、ついた呼び名が「村神様」だ。そして、プロ野球セ・リーグMVPには2年連続で選出された。
何よりも球場で見る堂々としたユニホーム姿の印象が強い村上選手だが、ひとたびスーツを着ると、その体軀の分厚さは変わらないものの、引き締まったスタイルのよさが際立つから不思議だ。足が長く、顔が小さい。まさにスーツが似合う絶妙なバランスなのだ。
「本塁打60本、もう一度三冠王」めざす
球界きってのウェルドレッサーならばこそ、普段でも大胆な装いを自分のモノにしてしまう。授賞式の日に会場入りした際には、ラグジュアリーブランドのブルゾンを粋に着こなしていた。その私服でもさりげなくグリーンを効かせていた村上選手。実は最近納車された愛車のカラーも鮮やかなグリーンで、スーツもグリーンが多いそうだ。
今回、着用したスーツは深みのあるモスグリーン。イタリアのドラゴ社の高級生地はスーパー130'S原毛で、村上選手をイメージしたかのように、その名も「スウィング」という。ナポリスーツの軽さと要所要所に職人の手縫いを加えたフィット感抜群の仕立てが、鍛え上げた肉体のシルエットを一段と引き立てる。「恥ずかしい」を連発しながら臨んだ授賞式だったが、いざ袖を通すと「カッコよくてすごく着心地がいい」とすっかり気に入った様子だった。

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