叱られたことをどう話す?

職場で「叱られる」話とは他人に言いにくいもの。それを職場の仲間とどう共有していくか。その方法にノウハウがあると著者は説きます。

企業に勤務する社員にとってコミュニケーションは必須であり日常のことだ。企業だけでなく家族でも友人でもコミュニケーションは欠かせない。そのコミュニケーションで「ほめられたこと」を話すだろうか。「叱られたこと」を話すことはあるだろうか。
ほめられたことは話しやすい。自慢にもなるし、何より自信になる。このため、多くの人がほめられたことは話しやすい。では、叱られたことはどうだろう。自らの失敗を話すのは恥ずかしいし、自分の評価を低くすると考える。このため、失敗については話すことは少なく、ほめられたり、成功したりした話ばかりを伝えがちだ。
しかし、現実には失敗の方が多いし、日常茶飯事ともいえる。野球では3割バッターは称賛されるが、それでも7割は失敗しているのだ。しかし、失敗がコミュニケーションに取り上げられることは少ない。
(第5章 思考のちょっとした変化でこんなにも伝わる 178ページ)

「あざとい」というタイトルが目を引きますが、本書で訴えている、その主張はきわめて正攻法です。相手の心の内、心理を考えてビジネスの一手を打ってみてはどうか。参考にしていただきたい言葉があふれています。

◆編集者のひとこと 日本経済新聞出版・細谷和彦

山本御稔さんが日経産業新聞に長期連載している「コミュニケーションのつぼ」は、型にはまらない手法が面白く、注目していました。「秘伝のたれが注目される理由」「おばけ屋敷はなぜ怖いのか」など、たとえ話が興味をそそります。100回以上も連載されているからには、読者にも支持されているはずで、満を持して、著者に書籍化を打診しました。

本書は、心理学アプローチや、AIがコミュニケーション変革などを進めていく点が興味深いのですが、さらにコロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが激増したことに対応して、全面の見直しを行いました。連載時よりもさらにパワーアップしています。相手をひきつけ、そして動かすテクニックとは? 「あざとい」伝え方を、ぜひ身に付けましょう。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。

「あざとい」伝え方入門 (日経プレミアシリーズ)

著者 : 山本 御稔
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 990 円(税込み)