ルイ・ヴィトン、エルメス…ブランド「アイコン」物語持っておくべき男の逸品(8)

MEN’S EX

2022/12/10
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創業から長い歴史を持ち、世界中から一流メゾンと称されるラグジュアリーブランドには、長年愛され続けるアイコン的存在がある。そんな「一生アイコン」の、誕生から未来へ向かうストーリーをお届けする。




LOUIS VUITTON [Monogram]

ルイ・ヴィトンの[モノグラム]

モノグラムのウォレット8万5800円、ぼかしモノグラムのウォレット7万7000円/以上ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

1世紀以上続く独自の柄は今なお、軽く堅牢(けんろう)で美しい。

誰もが知っているこちらのモチーフ。その歴史と変遷は、知れば知るほど奥深く、面白い。

1854年にルイ・ヴィトンがメゾンを創業したとき、既に彼はパリで評判の高い「レイティエ・アンバルール(荷造り用木箱製造兼荷造り職人)」のもとで、17年以上腕を磨いていたという。

それだけ素晴らしい経験がありながらも、新たな冒険に成功するにはより抜本的な改革が必要なことに彼は気づいていた。世界中で旅をする人が増えている中、軽量で堅固なだけではなく、見た目にも美しいラゲージが必要である、と。そこで1854年、ルイ・ヴィトンはキャンバスをヘンプオイルで灰色に彩色した「グリ・トリアノン・キャンバス」でトランクを覆うことを考案。これがルイ・ヴィトンのトランクで最も古い外装で、軽さと耐久性を同時にかなえることに成功した。

(C)ARCHIVES LOUIS VUITTON   ルイ・ヴィトン氏のポートレート。1854年の創業当初から、軽量ながら耐久性のある「グリ・トリアノン キャンバス」を考案。

さらにルイ・ヴィトンは、船舶や鉄道の荷物置き場で積み重ねしやすいよう、蓋が平らで長方形のトランクを1858年に初めて考案。これを模倣しようとする競合他社が出てきたため、ルイ・ヴィトンとその息子たちは、メゾンのアイデンティティーを守るためにトランクを覆うキャンバスに重点を置くようになったのだ。

そうして1872年に赤の縞(しま)模様のレイエ・キャンバスが、1888年には市松模様のダミエ・キャンバスが登場。そしてルイ・ヴィトンの息子ジョルジュが、世に衝撃を与える、センセーショナルなキャンバスを創案した。

それが、かの有名な「モノグラム・キャンバス」である。

それまでのトランクの模様といえば、持ち主を示すイニシャルだけが描かれたものだったが、創業者ルイ・ヴィトンのイニシャルと幾何学模様や植物のモチーフを組み合わせたこのデザインは、当時の常識を大きく覆した。

(C)LOUIS VUITTON Archive   ルイ・ヴィトンの息子ジョルジュ・ヴィトンが1896年に創案したモノグラム・キャンバス。当初はジャカード織り。
(C)Collection Louis Vuitton / Patrick Gries 右下:グリ・トリアノン・キャンバス 左下:レイエ・キャンバス 右上:ダミエ・キャンバス 左上:モノグラム・キャンバス