ウエルネスを極める 都心のホテルスパおすすめ3選
新型コロナウイルス禍をきっかけに今、ウエルネスなホテルステイが注目されている。ウエルネスとはよりよく生きようとする生活態度を意味するが、ユニークなスパメニューや食事などを組み合わせたプログラムを展開するホテルも増えている。東京の都心部で充実した設備を誇るホテルスパと、そこでの極上の過ごし方をご紹介しよう。
皇居外苑や日比谷公園に近く、アイコニックなオブジェがロビーを飾る「ザ・ペニンシュラ東京」。ラグジュアリーな雰囲気に満ちたこのホテルは今年で開業15周年を迎えた。ゲストの心身のウェルビーイングを「フィジカル」「マインドフルネス」「栄養を考慮した食事」の3つの観点からサポートしようと各分野の専門家を迎えて様々なプログラムを提供している。
平日限定のデイプログラム「[サトル エナジーズ] ウィークデイ スパ エスケープ」は、ボティとフェイシャルのカスタマイズトリートメント(1時間50分間)に加え、ヘルシーなランチがセットになっている。トリートメントの2時間前から宿泊者用の素晴らしい眺望のジャグジーとプールが使えるのもうれしい。
このメニューでは、アーユルヴェーダやアロマテラピーの資格を持つ創設者が考案したオーストラリア生まれの高品質なスキンケアブランド「サトル エナジーズ」の製品が使われる。スパにはスチームルーム、ドライサウナに香りが楽しめる温冷のスタイルの異なるライフスタイルシャワーも備える。
まず体を整えてトリートメントに臨む。ゲストの状況や悩みに合わせたフルカスタムで、ボディーは全身の長いストロークやリンパを流したり、フェイシャルでは筆を使ってフェイスブレンドオイルを塗布し、優しくマッサージしたり。じっくりとスキンケアを浸透させる施術が印象的だ。
ランチは精進料理とのコラボで、ベジタリアンとは一味違う日本の食文化が生かされたメニュー。野菜の味わいを生かし、目にも美しい一汁一菜は、食後感も心地よい。価格は5万9455円(税・サービス料込み)だが、スパだけでなく食も含めたトータルアプローチで考えれば、相応の満足感が得られるはずだ。
宿泊とヨガやスイム、ランなどのプログラムを入れたり、スパを受けたり。ウエルネスに重点を置いたステイが楽しめる。
東京・丸の内の「パレスホテル東京」。皇居外苑を借景に緑に囲まれたこのホテルはリニューアルして今年で10周年になる。ホテル内の「エビアン スパ 東京」ではフランスとスイスにまたがるレマン湖畔の「エビアン リゾート」のセラピーが日本で唯一体験できる。
4つのエクスペリエンスで構成
エビアンは、フレンチアルプスを水源としカルシウム、マグネシウム、ナトリウムのバランスがよいミネラルウオーターとしてよく知られるが、スパも〝水を通じての健康〝づくりをテーマにしている。水が自然の恵みの雨からつくり上げられるように、「エビアン ジャーニー」をモチーフに「心と身体を解き放ち(Celestial)」「ミネラルバランスを整え(Mineral)」「新しい自分と出会い(Precious)」「バイタリティー(Vitalizing)を得る」 の4つのエクスペリエンスで構成されている。
1200平方メートルの広さに5室のトリートメント室、スパスイート1室、男女別のリラクセーションラウンジと温浴施設を完備。女性用は微温浴のマーブルサウナと浴室を備えている。ゆっくりと間接照明の色が変わる空間で時を過ごせば、体の芯からじんわりと温まる。男性用にはドライサウナと水風呂が。ロッカーには常温と冷やしたエビアンが置いてあり、湯上がり後の一杯がたまらない。
全身のオイルトリートメントとフェイシャルではリフティングテクニックを中心とする2時間のトリートメント、プレシャス ハーモニー(4万5100円税込み・サービス料別)がおすすめ。アロマセラピーをベースにミネラルや海洋成分をふんだんに含んだフランスの自然派スキンケア、アンヌセモナンの製品を使用。セージ、ローズマリーなどをブレンドした香り高いエッセンシャルオイルを使ったフットバスからスタート。全身のボディーオイルトリートメントの後は、肌の状態に応じてセラピストがフェイシャルのセラム(美容液)やマスク、クリームすべてをカスタマイズしてくれる。指を使った顔のタッピングが心地よく、リフティングの効き目が体感できた。
ジャグジーを備えたプールやフィットネスは宿泊者専用で、客室は全室45平方メートル以上。落ち着いたモダンなインテリアで、皇居外苑や和田倉噴水公園を眺めながらのステイはまさに極上。トリートメントを受ければ、生き返った気分になり、明日のバイタリティーが得られそうだ。
JR新橋駅からだと徒歩約3分、汐留タワーの24階から38階を占める「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留」。客室からの高層の眺めがこのホテルの魅力だが、地下2階には日本で唯一の「マンダラ・スパ」がある。インドネシアのバリ島発祥で太平洋地域を中心に展開する世界的なスパである。
オリジナルエッセンシャルオイルでのマッサージ
一歩足を踏み入れると、受付段階からバリの雰囲気にどっぷりと浸れる。ボディートリートメントはバリだけでなくハワイ、タイ、ヨーロッパなどの技術と文化を融合させたメニュー「サマルパン」という、日本人に合わせて開発されたトリートメントなど種類が豊富だ。一番人気はオリジナルエッセンシャルオイルを使ってのマッサージ「バリニーズ」(80分 2万4200円、50分1万5400円=税込み)。心地よく、血液やリンパ、自律神経の働きを改善させるという。フェイシャルは英国のスキンケアブランド「エレミス」の製品を使っている。
女性エリアには、ジェットバスとクールバスで寒暖交互の入浴ができるハイドロバスやスチームとドライのサウナのある温浴施設がある、スパメニューを受ければ無料で使える(単体で利用する場合は5500円=税込み)。ホテルには宿泊者限定のトレーニングジムはあるが、プールや温浴施設はない。忙しい仕事が一段落した後、有料とはいえ充実したスパを利用しての健康的ステイもいい。
ホテル1階の「カフェ チャヤマクロビ」では有機栽培の農産物や国産有機玄米などを使ったマクロビオティック(穀物や野菜、海藻などを中心とする日本の伝統食をベースとした食事)を提供している。浜離宮や東京タワーなどが望める洋食のオールデイダイニング「HARMONY」での、バラエティー豊かなデリビュッフェに卵料理などのメインプレートを組み合わせた朝食もぜひトライしてみてほしい。
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。
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