新しい製造技術の導入で独自路線磨く

02年からは製造ラインの改良により、「チョコレートの中に新しい具材を入れる技術と設備が導入されました」と菊池氏は話す。例えば、フリーズドライしたフルーツなどや柔らかいソースなどを入れて、新たな食感や味を楽しめるようになった。本家のルックでは、中に入れるクリームを柔らかいホイップクリームに切り替えて、味に深みと柔らかさを加えることができたという。

新しい商品では「ルック 一粒の贅匠(ぜいたく)」がある。通常のルックより1粒の厚みがあり(背が高く)、その中に具材を入れられる。例えば、21年9月に発売の「ルック 一粒の贅匠(あまおう苺)」は、福岡県のブランドイチゴ「あまおう」のゼリー、ソース、そしてイチゴ味のホイップクリームの3種を1粒の中に閉じ込めてある。同時に発売の「同(利平栗)」は、熊本県産のクリ「利平栗」をソースにし、マロンのホイップクリームを入れた商品だ。

不二家の菓子事業本部営業本部の菊池祐一・商品企画部長

菊池氏が部長として率いる商品企画部のスタッフは、品質管理や製造設備を受け持つ各部門と頻繁に連携をとっているという。他社がまねできない複雑な生産ラインで、多様な味を1つのパッケージにできる技術を活用し、新商品の企画を練るためだ。近年のヒットでは、「カントリーマアム」に含むチョコレートをクッキーとして商品表記できる最大限まで増量した『カントリーマアム チョコまみれ』も発売した。

創業111年の歴史を持ちながらも、チョコレートでは後発だった不二家。オーソドックス路線から少し外れた商品を生み出せる製造技術をうまく活用しながら、独自路線を貫き、ファンを育ててきた。「ミルキー」や「カントリーマアム」「ネクター」などの長寿商品を育ててきた「不二家流」は、愛着を持って丁寧に暮らすサステナビリティー(持続可能性)消費にもなじみそうだ。

(ライター 三河主門)