求む失敗人材、ソニーが起業家に接近 農学・生物系も

2022/1/13
ソニーは起業家向けのインターンを開催した=ソニー提供

理系の就職人気ランキングでトップクラスのソニーグループ。しかしグローバル市場に目を向ければ、GAFAなど巨大IT企業との競争が激しく、人材確保は厳しい。2021年秋に初めて起業家向けのインターンシップ(就業体験)を実施し、技術系人材では機械・電気系以外の専攻の学生にも積極的にアプローチをかける。どんな人材を求めているのか、採用部統括部長の田代嘉伸さんに聞いた。

「失敗した人に出会いたい」

――「起業家人材インターンシップ」はどんな人が参加して、どんな内容だったのでしょうか。

21年10月中旬から11月中旬にかけて、5日間のプログラムを実施しました。参加者は新規事業を考えて最終日(5日目)に発表します。対象は起業したことがあったり、起業を試みたりした学生に絞り、14人が参加。ビジネスコンテストで受賞した学生、ペット関連の事業を立ち上げた学生起業家など、多彩な人が集まりました。人工知能(AI)技術や機械学習のスキルを持った人も多かったです。

ソニーの新規事業支援プログラム「ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(SSAP)」の方法論を落とし込んでいて、事業の種をどう見つけるか、ユーザーテストやプロトタイプのやり方などを教えながら一緒に作っていきます。ウエアラブル機器の新規事業など3つのテーマから1つ選び、それぞれ関連部署の社員が入ってアドバイスしています。最終プレゼン後にテーマごとに優勝者を決めました。あるテーマでは、ソニーの遠隔コミュニケーションシステム「窓」を活用し、身近な飲食店でリモート会食ができるサービスを考案した学生が優勝していました。

じゃあそれを本当に事業として一緒にやっていけるか、やるとしたら社員として採用するのがいいのか、業務委託がいいのかなど、各部門で考えているところです。

――業務委託もありだというのが、今どきの働き方ですね。

電機業界って業務委託という形態はあまりないと思うのですが、私がもともといたゲーム業界では多いですし、採用ありき、というのは自分たちで足かせをはめているのではないかと考えるところもあります。当人が1つの会社に縛られたくないのであれば、副業・兼業など色々な形があっていいだろうと。

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半導体人材、機電系以外からも 全国の理系ローラー作戦
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