
殻を割る道具でおすすめは……
殻を割る専用の道具はいろいろあるが、平井さんはさまざま試した中で「ポンププライヤー」がオススメという。これは水道工事などに使うレンチのような器具で、ホームセンターなどで入手可。ヘッド部分の大きさを何段階かで調整できるので、さまざまなサイズのくるみをしっかりつかむことができる。
「殻のつなぎ目、『縫合線』の上にヘッド部分が乗るようにはさむことがポイントです。割ったらピンセットを使って子葉の部分を取り出します」(平井さん)。
目の前で割るのを見せてもらったが、それほど力を入れずにパリッと割れた。ピンセットでつまんで子葉がそのままパカッときれいに取れると気持ちいい! 確かにこれはクセになる!
割って取り出したくるみはそのまま生で食べられる。
生でもおいしいが、フライパンにオリーブオイルと塩を少々入れてローストするとさらに香ばしさが加わり、シンプルだけど最高の酒のつまみに。また、東御市ではすったくるみにみそと砂糖、塩少々を合わせたものをまぶした「くるみおはぎ」、くるみだれでいただく「くるみそば」などの郷土料理がある。

カリフォルニアくるみ協会のウェブサイトには「オメガ3脂肪酸を多く含むくるみを食べることは、脳によい」との記述がある。このように良質の脂質を含むことから「スーパーフード」と呼ばれる。また、紀元前7000年の昔から人類が食用としてきたことから「最古のナッツ」とも称される。生命力が強く、実はスゴい存在なのだ。「地味」だなんて言ってごめんなさい。これからは積極的に摂取しよう。特に、殻付きくるみを見つけたら絶対「買い」だな。
(ライター 辻佳苗)