――サイズにゆとりがあって同じブランドでもずいぶん印象が違います。

石津「コートはファッション性を考えると失敗することが多いんです。ベーシックなネイビー、カーキ、ベージュなどが賢い色の選び方。色や柄の好みなんかを乗っけた途端、3年後には反省することになります」

ミントグリーンと同じブランドのコート。「サイズ感も雰囲気も、今の気分に合います」

ベーシックなコートなら… 60年たっても現役

――石津さんはお父様・石津謙介さんから受け継いだコートをよく着ていらっしゃいますよね。

石津「ムートンのコートやフェイクファーのコートもあります。これはチロリアンコートのようなもの。全部50~60年前のビンテージです。ベーシックな形と色だから今も着られます」

――コートにはそれぞれ由来がありますが、今注目のコートはありますか。

石津「これは『タイロッケンコート』といって、ボタン代わりにベルトで締めるタイプのコートです。ボタンが手に入らない時代に生み出された歴史あるコートで、トレンチコートの原形などともいわれています。日本人デザイナーによる『コモリ』というブランドがタイロッケンコートを手掛けて人気となり、知られるようになりました。サイズ感もざっくりしていて、こんな防寒コートも面白いでしょう」

ベルトで締めるタイロッケンコートが復活の兆し

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

<< (上)男のトレンチコート、膝下丈でゆったり感 石津祥介氏

<< (中)石津祥介氏「バブアー」「ノースフェイス」はこう着る


SUITS OF THE YEAR 2021

アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。

>> 詳細はこちら

SUITS OF THE YEAR 2021
Watch Special 2022
SPIRE