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転職サイト「日経転職版」は特別セミナー「エコノミスト崔真淑氏に聞く 学び直しとキャリア」を開催した。エコノミストとして複数の肩書をもって活躍しながら、一橋大学大学院博士後期課程にも在籍している崔真淑(さいますみ)氏に、ビジネスパーソンの間で関心が高まっている「学び直し」と「キャリア形成」について話を聞いた。

―崔さんはエコノミストや大学院の博士課程在籍など、肩書が現在、6つもあります。まずは経歴を教えてもらえますか。

大学の学部時代は計量経済学を専攻しました。計量経済学は統計学やデータ分析のメソッドを学ぶものなので、どこの業界でも生かせると思ったのです。経済学部で学ぶうちにお金や株式、ファイナンスに非常に興味をもつようになり、かなりのめり込んで勉強していました。卒業後は金融業界に行きたいと考えて投資銀行に入ったのですが、そこで起こったのが2008年の金融危機「リーマン・ショック」でした。

その経験から、ずっと1つの会社にいてスキルアップしていくことを考えるよりも、どこの会社にも行けるような普遍的なスキルを身につけなければならないと考えるようになりました。

自分の思い描く金融サービスを提供できる会社を立ち上げたいと、20代後半で独立して海外で起業したのですが、それが大失敗に終わりました。「これからどうしよう……」と思っていたとき、いろいろなご縁を経て学び直しに取り組みながら、改めて今のエコノミストとしての会社を作り直しました。

セミナーで熱く語る崔真淑さん

セミナーで熱く語る崔真淑さん

―起業に失敗した後、まさに「学び直し」という感じでMBAに行かれていますよね。

MBAに入ったきっかけは、起業に失敗して日本に戻ってきた後、知り合いの中小企業の経営者の方と再会する機会があったことでした。起業に失敗した話をしたら「当たり前だよ」と怒られたんです。経営したり自分で仕事をしたりしていくには、まず軸足を決めて、次にそこから展開していく「ピボット」が大事だと言われました。まず今すぐ日銭稼ぎができる事業をやりつつ、次の新しい事業の種をまいていくということです。

それで、私はエコノミストとして経済解説をすることでまずは生計を立てていくことに決めました。さらに経済やファイナンスの専門家として活動するなら現状ではダメだと思い、MBAの修士課程でファイナンスを究めるため、事業を起こしながら同時並行で学校に通うことにしました。

―修士課程の後、博士後期課程に進んだのはなぜですか。

博士号をとることで、自分のキャリアがさらに広がると考えたからです。日本ではまだ「なんで博士まで行くの?」と言われることもありますが、海外の経営者の方や海外でキャリアアップしている方の話を聞くと、「○○の専門家です」と名乗る人は大抵「Ph.D.」などの博士号を持っています。

コーポレートファイナンスの分野で、日本国内だけでなく海外に向けても仕事をしたいと考えるならば、博士号は1つの免許証になるのではないかと思います。もちろん私自身、研究活動が大好きで博士号をとりたいという気持ちもありましたが、自分自身に対する「設備投資」という気持ちのほうが強かったと思います。

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