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日本発メタバースを作ったクラスター社長の加藤さん

日本発メタバースを作ったクラスター社長の加藤さん

今、注目の仮想空間「メタバース」。インターネット上に巨大な3次元(3D)の仮想空間の「街」を作り、遊んだり、買い物をしたりする新たなプラットフォームだ。日本で先駆けてメタバースの街「cluster」を開発・運営するのがクラスター(東京・品川)の社長、加藤直人さん(32)だ。日本発メタバースは世界を席巻するのか。

「clusterに半分暮らしている状況。ディズニーやポケモンのイベントもあれば、音楽やゲームも楽しめ、全く飽きない」。新型コロナウイルス禍で在宅勤務になった30代の男性社員は話す。「バーチャル渋谷」など都会の街並みなど5000以上の仮想空間「ワールド」があり、年間100以上のイベントが開かれ、1日当たり数千人のアバター(分身)がメタバースの世界を堪能している。仕掛け人の加藤さんは個性的なキャラクターの持ち主だ。

大阪の下町生まれ 街の雰囲気になじめず

「大阪の下町で生まれ育ったが、嫌だった。街の雰囲気にはなじめなかった」と加藤さんは明かす。父親は美容師で、母親は介護の仕事。3人きょうだいの真ん中で、家計に余裕はなく、狭いアパートで暮らした。

小学校の頃から外で友人と遊ぶのは苦手。引きこもり気味だった。図書館で科学関連の本を読みあさり、パソコンを手に入れ、ゲームやアニメにはまった。深夜まで本を読んでいると、親から「勉強なんかせんでええで。寝なさい」と注意された。経済的な理由から中学受験は見送った。小中高と1度も進学塾に通った経験はない。

中学校でも成績は常にトップ。自分でプログラミングを組んで作った株価シミュレーションゲームで友人と競った。「ボロ負け。破綻した電機大手に賭けたので」と笑う。高校は地元の名門公立校、天王寺高校の理数科に進んだ。大阪では府立北野高校と並ぶ進学校だ。だが、「ネットは金がかかる」と親からパソコンを取り上げられた。「暗黒期の3年だった」と振り返る。

暇になったので、勉強に打ち込んだ。成績は校内トップ。全国模試でも10位以内に入った。得意の物理は高1で全単元を消化し、担任から「もう、物理はせんでええで」と言われた。空いた時間は歴史などの読書に費やした。

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