「女子御三家」に並ぶ豊島岡、滑り止め校が理系で飛躍豊島岡女子学園中学・高校の竹鼻志乃校長に聞く

体育会系のような雰囲気という(東京・池袋の豊島岡女子学園中学・高校)

東京・池袋にある中高一貫の私立女子校、豊島岡女子学園中学・高校。明治期に裁縫の専門学校として誕生し、1980年代までは公立高校の滑り止め校だったが、今や東京大学や国公立大学医学部への進学実績で女子校トップクラスになった。飛躍の理由を竹鼻志乃校長に聞いた。

「ちょっと待った!」。10月、埼玉県入間市にある同校の専用グラウンドで豊島岡生の元気な声が飛び交った。運動会の閉会時に1人の女子生徒が飛び出し、運営に汗をかいた生徒の名前を次々に呼び上げ、ねぎらう恒例行事の一幕だ。同校出身で東大理科1類の女子学生は「真面目だけど、元気はつらつ。体育会系のような雰囲気の学校」と振り返る。

「女子校っぽくないですよね。しかし、これが豊島岡の特長。運動会や文化祭など行事は生徒が主体となって運営される」。竹鼻校長は笑いながら話す。驚いたことに10月の運動会を仕切るのは高3の生徒だ。進学校であれば、受験の追い込み時期だが、「ここで頑張った生徒の方が受験結果も良かったりする。後輩たちは先輩の活躍を見て、その姿に憧れる。運動会でも奮闘し、受験でもいい結果を出す。じゃあ、自分達はもっと頑張ろうと、いい循環が生まれた」と話す。

「受験は団体戦」 生徒が刺激し合って高める

竹鼻校長は「受験は団体戦」と強調する。行事やクラブ活動で一緒に汗を流す生徒たちは勉強でも教え合い、刺激し合って高めていく。私立男子校の開成中学・高校も5月に開催する運動会で先輩・後輩の絆を強める「体育会系進学校」だが、豊島岡もそれに似たムードを醸し出している。

大学通信調べ。※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。合格者数は各高校への調査などから集計した。校名は現在の名称。

豊島岡の2021年から過去5年間の合格実績を見てみよう。女子校では東大の合格者数で、「女子御三家」と呼ばれる桜蔭、女子学院に次いで全国3位の24.2人(平均卒業生数は342.6人)。国公立大医学部医学科の合格者数では四天王寺(大阪市)、桜蔭に次ぐ同3位の38.4人に上る。特に医学部の合格者は21年に国公立大が45人で、私立大を含めると202人と急増している。今や女子御三家と並ぶ進学実績だ。

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もともと進学校ではない 女子裁縫専門学校として誕生
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