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答えと解説

正解(間違っている説明)は、(1)心不全はある日突然起こるため、予防は難しい です。

写真はイメージ=123RF

心不全は、何らかの原因によって心臓のポンプ機能が低下するさまざまな病気の総称で、「心臓の機能が徐々に落ち、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなっていき生命を縮めていく病気」と定義されています。ある日突然発生し、予防できない病気、というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実際には、症状が出る前に予防することは可能で、症状が出てからであっても、発見が早ければ早いほどその後の経過を良くすることができます。

心不全の診療経験が豊富な、かわぐち心臓呼吸器病院副院長・循環器内科部長の佐藤直樹氏は、こう話します。「心不全には4つのステージがありますが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があれば、それだけで、最初の“ステージA”に該当します。日本の成人の2人に1人に高血圧があると言われていますから、2人に1人は既に心不全が始まっているのです」。

心不全は、症状のない「無症候性」の段階と、症状が出現する「症候性」の段階に分けられ、図1に示したような4つのステージを踏んで進行していきます。入院を要するような状態は、症候性のステージCにあたりますが、その前段階には、症状のない無症候性の心不全、いわば「隠れ心不全」が潜んでいます。

図1 心不全の4つのステージ

この「隠れ心不全」のステージAというのが、「高血圧や糖尿病、あるいは狭心症のような心臓の血管の病気(冠動脈疾患)があるが、心臓の変化はなく症状もない状態」です。高血圧や糖尿病があるだけで、既に心不全のステージAに位置付けられていることは、一般にはあまり知られていません。そのために、心臓に注意を払うことがないまま、血圧や血糖値が高い状態が続くと、気づかぬうちに心臓の構造や機能に変化が表れ、ステージBへと進んでしまうのです。ステージBの段階でも、心不全の代表的な症状である息切れやむくみを自覚することはないため、放置されていることがほとんどだと佐藤氏は話します。

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血圧が適切にコントロールされていなければ心不全の危