「チームのカルチャーや土台を作るのに僕が適していると思われたのではないか。エディーさんが掲げた『ジャパンウェイ』、日本らしい戦い方を選手に理解させるために、僕自身が得意な、物おじしないディスカッションや感情表現を期待されたのではないかと思う」

2015年のW杯でエディー・ジョーンズHCと

「納得いかない人もいたと思うが、選手にもエディーさんにも個々に話しながらギャップをなくしていった。最終的に気に入らなかったとしても『今回はこれでやってみよう。あかんかったら変えればいい』と。一回決めたことはやりきろうという文化をつくるように心がけた」

「ミーティング中でも、納得していないことがあったら、すぐに意見を出すという文化もつくった。終わった瞬間にああだこうだ言うのは一番あかんことだから、やめようとなった。ミーティングのクオリティーが向上し、練習と試合の質も上がっていった」

――ポイントはミーティング中に反対意見を言える空気を作ったことですか。

「いきなり若い選手や経験のない選手はしゃべれないと思った。そこで2人1組のバディー制度を作り、練習で良かったことや悪かったことなどをエバーノートのアプリで共有した。思いを言葉にして話し合う機会を作っていけば、ミーティングで話せるようになると思った。最初は同じポジションの選手同士を組み合わせたが、その後は違うポジションにした」

表裏のないリーダーに

――同じキャプテンでもリーチ・マイケルさんとの違いは何ですか。

「プレーでリーダーシップを発揮できるのが彼の強みだ。僕はみんなと一緒になって頑張ろうという空気感を作って、一人ひとりに『このチームで良かった』と思ってもらうようにするスタイルだった。でもマイケルもチームの目的や大義の話をしたり、みんなで俳句の勉強をしたりするなど唯一無二のリーダーになりつつある」

――リーダーシップの能力を上げる効果的な方法を教えてください。

「自分が何をしたいのか、どんな人でありたいかを見いだせるかだ。それが決まったら自分をリードして、周りの人を巻き込んでいくといいのではないか。合っているか間違えているかよりも自分らしさが出ているか、裏表がないなと思わせるのが大事だ」

「大変さを楽しんでやれるかも大事なポイントだ。こっちがストレスを感じている時は、向こうもストレスを感じている。他人を変えようとするのは結構大変で、まず自分が変わって相手に寄り添ってみることからスタートすればいいと思う」

――サステナブル(持続可能)なチームにするために何をしましたか。

「チーム内にリーダーシップグループというのがあった。15年は31選手のうち8人いて、どんなチームになっていきたいか、チームに何が大事かなどの話し合いを積み重ねた。トップダウンではなく自分たちの決断を信じて納得していることが、サステナブルにつながっていったのではないか」

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経営管理修士を取得、英語はワン・オン・ワンで特訓中