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近年の企業活動は「プロジェクト」単位で動くものが増えている。自社のウェブサイトの立ち上げ、アプリの開発、基幹システムの構築などもプロジェクトとして進められ、エンジニア、テスター、デザイナー、営業担当者、経営者にいたるまで、複数の組織から多様な職種の人が携わる。こうしたプロジェクトの成否のカギを握るのが、「プロジェクトマネジャー」だ。

プロジェクトマネジメントの手法には、米国プロジェクトマネジメント協会が策定したPMBOK、英国商務局が策定したPRINCE2など複数の知識体系があり、これらの資格取得のための研修や講座、書籍なども多くある。しかし、資格を取得すればプロジェクトマネジャーが務まるのかといえば、必ずしもそうではないだろう。

本書『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』は、主にプロジェクトマネジャーやそれを目指す人に向け、プロジェクトマネジメント全体を網羅的に解説する。読み通せば、プロジェクトの全体観が把握できるだろう。資格取得のための知識ではなく、あくまで実践的に、プロジェクトの流れに沿って手順や考え方を示しており、プレーヤーとしてプロジェクトに携わる人や管理職も押さえておくべき内容だ。

著者の橋本将功氏は、パラダイスウェア代表取締役。IT業界で22年間にわたり50社以上500件以上のプロジェクトにかかわってきた経験を持つ。

「要求」と「要件」を切り分ける

本書では、プロジェクトとは「いまある状態からあるべき状態にするために行う、スタートからゴールまで続く複数の業務」と定義する。プロジェクトは不確定要素が多く、異なる立場や専門性をもつ人が分業して関わるために、起こりやすい失敗パターンがあるという。

その一つが、「関係者(発注者/ベンダー/メンバー/関連企業)が対等に話し合える関係性を築けていない場合」である。日本企業は「お金を払う人が偉い」「職位が高い人がいうことは正しい」といった考え方があり、不都合な事実が隠されたり、意見をいいづらかったりするためにプロジェクトが失敗するケースがあるという。プロジェクトは、それぞれの立場や専門性をいかすことで成功確率が高まる。関係者間に上下関係のないパートナーシップを築いておくことが重要なのだ。

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