「シャツイチ」スタイルで春を先取り 今こそオーダーファッションディレクター 清水久美子

クールビズの流れを受け、オーダーシャツにも変化の波が到来。仕立てのよいシャツで好感度アップ

春一番、今年はどんな出会いがあるかしら。開放的な空気の中、東京・丸の内は行幸通りを根城にする聡明(そうめい)な女性たちも、新しいときめきを御所望になるシーズンです。そんなタイミングは恋の好機。出会いを期待する女性たちに「……別格ね」と思わせるおしゃれの仕込みをするのが、潮目を読める男性の行動です。




「別格感」がほしいなら シャツはオーダーで

けれども、この時期どんな仕込みが正解なのでしょうか。温度差もまだ激しく、何を着たらよいのか迷う季節です。けれど長い冬の間、ニットなどの重い素材に目が慣れきった今、フレッシュな印象を与えるのはやはり、軽やかな装い。なかでも春の訪れとともにご披露される男性のシャツ一枚のシャツイチスタイルは、女性の目に実にセクシーに映ります。

クールビズから始まったノータイスタイルは、襟ぐりからちらりと見える首筋や鎖骨、広い背中を思わせる肩周りのライン、厚い胸板ならではの身ごろのシルエットなど、男性らしさを感じさせるポイントが引き立ちます。モニター越しと分かっていても思わず前のめりになってしまうほど、シャツスタイルに清潔な色気を感じます。

周囲がまだ「モコモコ」スタイルでいる中、先手必勝でそんなシャツ姿をご披露すれば、女性の好感度はうなぎ登り。その一足早い切り替えに「仕事も抜かりない感じ」と、デキる印象もついでにゲットできるのが、春先のシャツスタイルのうまみなのです。

「ほー、なるほど。よし、1枚新調するか!」とは、出会いは常にウエルカムなダーリンのセリフ。お気楽なフットワークの軽さは魅力です。が、ベーシックアイテムほど、実は手ごわいもの。こだわり抜いたものでないと、別格感はなかなか醸し出せないのです。ましてやシャツは体形との調和が着映えを左右します。こまやかなサイズ感やディテールのわずかな差が大差につながるアイテムの筆頭です。ショップクルーズもいいですが、いっそのことオーダーメード、というのも大人の男性のクレバーなチョイスです。

「え? オーダーメード? なんだか堅苦しいなあ」とは、くだんのダーリンのセリフ。確かにオーダーメードシャツ、というと正装用、かしこまったビジネススーツ用ワイシャツというイメージが強いですが、実はここにもワーキングスタイルの変化を受けてニューウエーブが到来。こだわりのテーラーによるノータイでもサマになる個性的な提案が増え、オーダーシャツの世界は実に面白いタイミング。

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ワイドスプレッドの優美な立体感