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NPの筑井菜々子さん(右)

NPの筑井菜々子さん(右)

超高齢化社会を迎え、医師不足が深刻化するなか、日本の医療を支える新たな人材として「診療看護師(NP)」が注目を集めている。看護系大学院で高度医療を学び、NPの資格試験に合格すれば、一定レベルの診療行為を行える。米国では上級の看護師として高額報酬の人気職種となっている。地域医療振興協会所属のNP、筑井菜々子さんは、全国の病院でNPの普及・育成に当たっている。NPのお仕事とは。

米国ではNPだけの診療所も

「みんなNPなのですか」。2019年、オレゴン州ポートランドのオレゴン健康科学大学で研修を受けた筑井さんは、あるクリニックをのぞいて驚いた。誰でも予約なく受診できるその診療所では、医師ではなく、NPが医療行為を担っていた。基本的な診断、診療行為を行い、手術などの高度医療が必要と判断された場合、地域の病院に患者を送る仕組み。「NPはホームドクターのような役割を果たしていた」という。

米国では1960~70年代に医療費が高騰するなか、都市部の貧困層や地方の医師不足に対応するため、NP制度が作られた。国家資格だが、州に応じて診療行為の範囲などの制限は異なる。現在、NP資格を持つ医療従事者は、35万5千人に上る。これは看護師の約1割に相当する数だ。貧民街や無医村ではドクターと同等の役割を担う。平均年収も日本円で約1100万円と高額、「ベテランになると、1500万円クラスのNPも少なくない」という。

米国でNPはホームドラマにも登場する人気職種となっている。しかし、資格取得には看護師として実務経験を経た後、改めて医療系大学院で学ぶ必要がある。最近は博士号も必須となり、主にDNP(Doctor of Nursing practice)を取得したNPが増加。米国以外のオーストラリアやオランダなどの先進国でもNP制度が普及している。

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