授業・部活に次ぐ「教育の柱」をつくりたい

──これまでの経験が生きている部分はありますか。

「電通時代の経験や人脈は大いに生きています。例えば、学校のプロモーションビデオを制作したのですが、まさにCMづくりと同じ。私の強みは、人に知ってもらい、覚えてもらうブランドビルディングです。この強みを生かし、学校のスポークスマンのような役割が担えています。先日も塾が主催する学校説明会に参加し、私の考え、ビジョンを伝えたところ、保護者から『ぜひ入学を検討したい』という言葉がもらえました」

── 任期中に実現したいことを教えてください。

「とくに課題だと感じているのは、生徒たちが学校での時間を、与えられたことをこなすことだけに使っている点です。学習指導要領には『主体的・対話的で深い学び』といった内容の記載がありますが、そうした時間や余裕、サポートする組織もありません。そこで授業・部活以外に主体的に学べる『第三の教育の柱』を作りたいです」

「電通クリエーティブ・スクールはその1つですが、現状は授業を受けるだけになっています。そうではなく、どうすれば生徒たちが自走できるか。理想は、生徒から『もっと知りたいのでガイドしてください』と先生たちに声がかかること。自発的に学びが生まれる仕組みを作れればと思っています」

「いかに生徒たちに、新たな視点を持ってもらえるか。刺激を与えられるか。足りない部分は先生たちに手伝ってもらいながら、一緒に作り上げていく、これが私の役割でもあります。並行してステークホルダーとの関係構築、承認業務など来年度の校長就任に向けた準備を進めており、私自身も日々学んでいるところです」

──「越境」をして良かったと思うことを教えてください。

「私は、企業や人々の目を未来に向けることであれば、何でも取り組みたいと思っています。学校教育はまさにその最前線。そこに直接携われており、非常に良かったと感じています」

「専門的に取り組んできた企業のブランディング支援も、学校運営に生かせていると感じます。さらに校長先生は学校というブランドの一部であり、決定者にもなれるわけです。電通時代に比べても、企画した取り組みをすぐに実行できるやりがいも感じられています」

「少子化の時代において、公立といえども学校のブランドは重要です。私が天職と考えるクリエーティブディレクションは、対象物がどのように記憶されていくか、デザインする『技』だとも言えます。その『技』を駆使することで、学校教育にも大きく貢献できると考えています。私が去った後もブランドとして認知され続けるためには、当然、見せ方だけではなく、生徒たちのための取り組み、本質的な学びが欠かせません。それらを含め、『水海道一高』が素晴らしいブランドへと成長していく仕組みをつくっていければと思います」

(終)

「あしたのマイキャリア」の記事一覧はこちら

今、転職を検討しているあなたへ / 日経転職版

同世代の年収っていくらぐらい?

日経転職版でチェック

>> 年収チェックはこちらから