パパ育休「とるだけ」防ぐには 家事・育児の予習肝心

2023/1/24

男性従業員向けの「産後パパ育休」が始まり、育児休業を取得する男性が増えつつある。一方、育休中の過ごし方によっては、夫婦関係にマイナスの影響を与えるおそれもある。育休を有意義なものにするためには何が必要か。男性記者が経験者や専門家らと考えた。

最初の1週間は役に立てず 準備不足を痛感

記者(27)は昨年、第1子の出産に合わせて半年間育休を取得した。まず感じたのは自分の準備不足だ。育休前は「育児については生まれてから徐々に覚えていけばいい」と構えていた。

だが実際は、数時間ごとの授乳やおむつ替え、爪切り、入浴など、やるべきことが次々とやってくる。一つ一つ妻に聞きながら覚えていったが、産後の疲労が残る妻に負担をかけてしまった。最初の1週間はあまり役に立てず、せっかく育休をとったのに、と歯がゆかった。

育休中の目標設定、アプリ使い夫婦で情報共有

東京都内でカスタマーサービスの仕事に就く小原佳人さんは、そんな状況を避けるため、夫婦で「育休中にお互いが一通り育児をできるようになる」との目標をたてたという。

2022年秋に1カ月の育休を取得した小原佳人さん

2022年秋に第1子が誕生し、小原さんも1カ月の育休を取得。子どものおむつ替えなど、初めての作業は必ず2人で臨んだ。一方だけが詳しい作業が生まれないようにするためだ。

育児アプリなどのツールも活用し、ミルクの量やお互いの日記を共有した。「自分は気付いていない子どもの変化や妻の悩みに気付くことができた」(小原さん)

自治体の子育て講座に夫婦で参加するなど事前の準備も「いざ育児が始まると忙しいので、やっておいて良かった」と振り返る。

お互いの育児スキルを信頼しあっているため、土日に交代で友人と外出する、といった息抜きもしやすいという。「夫婦でいい育児のスタートを切ることができた」と話す。

男性育休取得「やって良かったorやっておけば良かったこと」
次のページ
男性育休、3人に1人が家事・育児時間「2時間以下」