例えば、今40歳で70歳まで働きたいなら、リタイアする2052年までの30年間の中で「どんな世の中になって、どんな産業がより成長して、どんな産業がなくなるか」を考えてみてください。

その世の中で「歳をとった自分がどんな提供価値を世の中に発揮して収入を得るのか」というビジョンを、仮決めでいいので描いてみることです。想定通りにならないこともありますが、仮でもいいので自分なりに未来を描いてみることが、スタートラインとして非常に大事だと思います。

視聴者からのQAコーナー

―ここからは、視聴者の方から寄せられた質問に答えていただきます。

Q)転職の際のおすすめの資格や、リスキリングで学ぶとよいことなどはありますか。

「どんな働き方をするか」によって「何を学ぶべきか」は変わってきます。ですので、先に自分はどう働くのかを決めることです。学ぶことが目的ではないので、稼いでいくために必要なことを学び、それによって成果を出すことが大事です。

求人マーケットが今後どのように変化し、どんなスキルをもった人を求める世の中になるのかを考えて、採用する側の需要が高まっていく分野で自分が取り組みやすいものや、興味があるものから始めるのもいいと思います。副業などをうまく利用して、リスク分散をしながらスキルを広げることもできると思います。

Q)40代以降の転職はなかなか決まらないと聞きます。転職活動を早く進めていく方法はありますか。

100社受けてもなかなか決まらないという方もたくさんいますが、よくあるケースとして、狙っている仕事にスキルや経験がマッチしていないことがあります。希望する業界・仕事・条件に、売り込もうとしているスキルや経験などの提供価値が合っていないということです。

最先端のスペシャリストなら選択肢は多くなりますが、時代遅れのスキルしかないと買い手は見つかりづらくなり、業界・仕事・条件を変えなければなりません。

そういった場合は、採用する側の目線に立ち、自分以外の応募者がどんな人たちなのかを想像して、作戦を立て直すことが大事です。対象者が広く、条件がよく、企業規模が大きい人気企業の求人には、300〜500人が応募していることもあります。

集まった大量の履歴書を見る人事担当者はどのような選び方をするのか、ライバルはどんな職務経歴書でアピールしているのか、ぜひ考えてみてください。その求人に応募しているのは自分だけかのような錯覚は起こりやすいので、差別化が必要だと気づくことが重要です。

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