意見の引き出し方やまとめ方も
意見の引き出し方やまとめ方も出てくれば、最後の11章では時勢に合わせてオンライン会議で必要な準備にも触れている。会議の終了直後にやるべきこと、次の会議までの間にやるべきことなどもおろそかにしない。ホワイトボードの使い方ももちろん解説するし、そのときに役立つ図解フレームワークなども簡単にまとめてくれる。
物事が決まらない会議、参加意識がかき立てられない会議にうんざりしている読者なら、すぐ参考にできる細かい手法が満載だ。リーダー層ならファシリテーターの導入効果を本書から読み取るのもいいし、会議のメンバー層ならファシリテーター役を買って出て本書を参考に会議改革をしてみるのも手だ。
「思考法の本はよく出版されるのに、会議のメソッドの本は意外に見かけない。そんなこともあって売れゆきがいいようだ」と同書店でビジネス書を担当する川原敏治さんは話す。
『ポジティブフィードバック』が5位
それでは、先週のランキングを見ていこう。
(1)それでも街は再生する | 水野清治、テナントショップネットワーク著(プラチナ出版) |
(2)不動産証券化ビジネスの教科書[クロージング実務入門] | 竹永良典著(秀和システム) |
(3)会議の成果を最大化する「ファシリテーション」実践講座 | 大野栄一著(日本実業出版社) |
(4)誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方 | 今井孝著(幻冬舎) |
(5)ポジティブフィードバック | ヴィランティ牧野祝子著(あさ出版) |
(八重洲ブックセンター本店、2022年7月3~9日)
1位はテナント専門の仲介ビジネスを展開する著者がそのノウハウや戦略を語った本。2位には不動産証券化ビジネスの実務書が入った。今回紹介した会議の指南書が3位だった。4位の本は、「普通の人のままでちゃんと稼げる起業・副業の教科書」をうたう。著者は『起業1年目の教科書』の著作もあるマーケティングコンサルタントだ。5位は、国際エグゼクティブコーチとして活躍する著者が部下一人ひとりの強みを引き出し、成長させるポジティブフィードバックの仕方を伝授する本だった。
(水柿武志)