ムッシュ海治郎氏が新庄ビッグボスにイチ押しのブランドは、スペインのデザイナー、アレハンドロ・ゴメス・パロモが手掛ける『パロモ スペイン』。なんでもスペインの王朝の歴史と情熱とLGBTQ(性的少数者)が融合した話題の新進ブランドで、ルックを見たら、イカ襟シャツもぶっ飛ぶ破壊力のあるデザインのブラウスやスーツのオンパレード。ちなみに、モデルで女優の水原希子さんも衣装で愛用しておられます。
昭和のコンサバvs令和のマイルドヤンキー
札幌ドームで開催された日本ハムファイターズのファン感謝イベントでは、ジョニー・デップ風に着こなしたチェックのシャツにロングマフラーでボンデージ風のパンツをはいて登場した新庄ビッグボス。カジュアルスタイルなら、どんなぶっ飛んでるブランドがお似合いだろうか。
ムッシュ海治郎氏のイチ押しブランドは、パリの若手デザイナーで『ディーゼル』の新クリエーティブディレクターにも就任したグレン・マーティンスが手掛ける『Y/Project』だ。デニムなどリアルクローズを不思議なデザインに変化させるのが得意なデザイナーで、ルックを見たら、なんとジーンズとカウボーイブーツが一体になったデニムパンツを発表している。いいですね~、ぜひこんなデニムパンツをはいて、『ランボルギーニ』の白いカウンタックから降りてきてほしい。
こうしてファッション面だけをツラツラと書くと、新庄ビッグボスは単なるエエカッコシーなチャラ男だが、断じてそうじゃないことは、これまでの現役時代にやり遂げてきた業績をみればファンじゃなくてもみんな納得する。それでも格好や言動だけを見て「ええ?」と眉をひそめているのが、くだんのファッション評論家や、選手の茶髪、長髪、ヒゲ禁止と言ってる中日ドラゴンズの新監督や、いつもビシッとスーツで決めている清原和博氏だ。さしずめ、昭和のコンサバオヤジvs.令和のマイルドヤンキーといったところだろうか。

元高校ラガーマンの筆者は、どっちかといったら間違いなく昭和のコンサバオヤジなのだが、新庄ビッグボスの監督就任会見で一番グッときちゃったのが、「選手にはグラウンド整備をさせないでくれ。僕たちがやればいい」というセリフ。これ、昭和のスポ根時代の運動部だったらわかるけど、きつい練習が終わってからTの字形の器具を使ってグラウンド整備するのは一年坊主なんだよね。それをあっさりカジュアルな言い方で否定するこのセリフ。ホントにカッコいい。でも今の筆者は、新庄ビッグボスに「ちょっとデブじゃね? もう少し痩せない?」って絶対言われるな。

1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN’S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。

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