新年に向けた振り返りのステップ
こうしたコロナ禍によるお金の使い方の変化をチェックするだけでなく、家計全体の動きもしっかり振り返っておきましょう。比較的取り組みやすい、そのためのステップをお伝えしたいと思います。
ステップ1:21年の預貯金の前年比増減を確認
この1年で預貯金は増えましたか? 減りましたか? まずは21年末の預貯金の合計金額を確認し、20年末と比べてみましょう。増えた場合は、預貯金は予定どおりに増やすことができたかもチェック。減ってしまった場合は、その理由を考えます。
どちらの場合も、ただ漠然と考えるのではなく、箇条書きでいいので気づいたことを書き出すのが重要です。手書きのメモでもパソコンなどで入力するでも構いません。文字にすることで頭の中が整理されて、より実態をつかみやすくなります。
ステップ2:21年の支出の内訳が適正だったか検証する
食費や日用品の購入費はもちろん、水道料金や光熱費、通信費、家賃・家のローン、教育費、交際費、レジャー費など、この1年間の支出は適正だったのかを検証する必要もあります。前年と比較したり、収入に占める割合が適正だったかをチェックしたり、21年のお金の使い方の良しあしを見直してみましょう。そうすると「使いすぎた」と思う費目が分かります。その場合は、22年は注意して使うようにします。
残念ながら家計簿をつけていない方は、これらを把握できません。そこで22年に向けて提案です。1円単位まで厳密に合わせる家計簿でなくてよいので、新年から自分が毎月どれにいくらくらい使っているのか記録を残すなどして、ざっくりとでも把握できるようにしてみませんか。そうすれば、自分のお金の使い方は収入に見合っているのか、ある程度はチェックできるようになります。
貯蓄、まずは長期スパンの目標設定を
ステップ3:5年、10年単位での支出予定を考える
人生では何度か、大きな金額が必要になるタイミングがあります。たとえば、マイホーム購入の頭金や教育の資金、老後の資金などです。それらを意識せずにお金を使っていると、その時になって資金不足で困ってしまいます。生活していくなかでは5年先、10年先、それ以上も含めて、いつまでに貯蓄がいくら必要かということも、把握しておかなければなりません。「来年こそは……」と年末の内から、新たな取り組み目標など考える方もいらっしゃるでしょう。その際にぜひ、先々のご自身やご家族の状況、やりたいことなどを考え、こうした支出予定を立ててみてください。
ステップ4:22年の1年間でいくら貯蓄するかを決める
ステップ3で5年、10年先に必要となるお金を把握できたら、そのときまでに毎年いくら貯蓄をしなければならないかがおのずと分かってきます。そこから逆算する形で、1カ月にいくら貯蓄するかを計算します。年が改まったら、月々の収入からまずは貯蓄額を確保しましょう。
貯蓄した残りを生活費として考え、その中で費目ごとに予算を立てるようにします。なお、支出についてはステップ2のところでの反省を踏まえて、予算を考えるようにしましょう。そうすれば無理と無駄がなく、自分の収入に合った望ましいお金の使い方が見えるようになってきます。
正月休みで年末から仕事がお休みになるなど、普段はお忙しい方も比較的、時間が取りやすくなるこの時期。気持ちよく新年を迎えるうえでも、ぜひ、21年のご自分のお金の使い方について振り返ってみてください。完璧にできなくても、きっとより望ましい使い方にするためのヒントがみつかるはずです。
