社風や人間関係の確認に遠慮は無用

――Webテストに不慣れで、苦戦しています。(50代、女性)

「練習あるのみ、書籍やインターネットで対策をしてください。Webテストを課す企業は業界を問わず増えている印象があり、6割程度の企業が1次面接前に、残りの企業は1次面接と最終面接の間に課しています。オンライン面接では知りえる情報が限られるので、テストをすることで判断材料を増やしたいのかもしれません」

――面接がうまくいきません。(40代、女性)

「キャリアコンサルタントなどのプロと練習してみましょう。人材紹介会社やエージェントに聞けば、企業がチェックするポイントやどんな社員が担当するかなどの情報を知ることができます。新卒の就職では友人同士で面接の練習をした人もいるでしょうが、転職時にはプロをうまく利用してください」

――1次面接は通過できても、最終面接で落とされてしまいます。(30代、男性)

「1次と最終では、評価ポイントが全く異なります。現場の社員が担当する1次面接でチェックされるのは、業務をこなせるか。対して最終面接は役員が担当し、会社にフィットする人物かどうかが見られます。役員に細かい業務スキルをアピールしても刺さりません。企業理念や経営方針を理解し、『この点に共感しているから御社で働きたい』というアピールが必要です」

――雇用条件や副業の可否、在宅比率や介護・育児との両立についてはいつどのように確認すればいいですか。(多数)

「最も確認しやすいのは内定をもらった後、採用条件を確認する面談においてです。とはいえ、なるべく早い段階で条件を知りたい人も多いでしょう。すべての情報を確認するのは難しいですが、応募前か最初の面接で質問をすることです」

「企業に直接聞きづらければ、人材紹介会社やエージェント経由で確認してください。『副業可』が転職の絶対条件であるなど、優先度が高ければ応募前に質問してもいいと思います。企業側もミスマッチを心配し、離職率や在宅勤務の割合といった情報もかなり開示するようになっています」

――会社の雰囲気が分からず不安です。人間関係や社風は確認できるものですか。(多数)

「確認できますし、必ず確認したほうがいいです。面接がオンラインであっても『1度訪問させてほしい』『社員と面接以外で話す場を設けてほしい』と積極的に発信し、職場見学や社員とのカジュアル面談など選考以外の場を持つことをおすすめします。そんなことまでお願いしていいのかと遠慮する人もいますが、企業もミスマッチ回避のため協力的ですし、その結果評価が下がることはありません。企業・応募者の双方の不安を解消するために、ぜひ確認したほうがいいでしょう」

中島秀雄
2003年に新卒で大手食品メーカーに入社。07年から大手人材サービス企業の人材紹介事業部で法人営業を約10年間経験(うち5年間は管理職)。17年に日経HRに転職し、個人の転職支援と法人向けの採用支援の両面を担当。年収800万円以上のミドルレイヤーや経営幹部などの転職支援で多くの実績を上げている。

(日経転職版・編集部 木村茉莉子)

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