夏の装いでは、ノータイになって着用アイテムの数が少なくなることは避けられない。さらに洋服の生地や仕立て自体も軽くなる。それによって、普段通りに着ていてもどこか味気なく、さえない見た目になってしまうことがあるのだ。そんな悩みを解消するため、これまでに紹介したアイテムを自身のワードローブに取り入れ、ミドルエイジの男性にふさわしいクラス感や洒落(しゃれ)感を表現できるコーデ術を考察する。シリーズ5回目の今回は、ノータイの装いを上品にまとめるグレーコーデと、冠婚葬祭用ではない黒ネクタイを取り上げる。
Question ネクタイをしないと着こなしが地味になってしまう…
ノータイこそストイックに「グレーコーデ」で洗練させる
夏場において最高に涼しい色といえば白に近いグレー。梳毛(そもう)のグレースーツなら、太陽光を反射してくれ、周囲からも涼しげに見える。今夏、大人のノータイは濃淡グレーの使い分けにあると心得よう。
STYLING POINT
同色コーデでも濃淡のメリハリを意識する
Coordinate 1
ダークグレースーツにライトグレーのポロで抜け感を
スーツとインナーで色の濃淡に変化を加えると、全身がぼやけずに、メリハリの効いた上品な装いに。チャコールグレーのストライプスーツには、ワントーン明るいニットポロをイン。黒靴で引き締めれば、ビジネスに通ずるドレス感が生まれる。
Coordinate 2
中間色のチャコールグレーはダークなインナーで引き締める
涼しげなミディアムグレーのジャージースーツは、Coordinate 1とは逆に、インナーをダークトーンで落ち着かせることで、上着とのメリハリを効かせる。黒のタッセルローファーも、柔らかいスーツの素材感に合わせてスエード素材を選ぶと品よくなじむ。
Coordinate 3
トップスをライトにまとめパンツはダークに差をつける
上下の色が分かれるジャケパンスタイルでは、上半身を同トーンでまとめ、パンツのトーンでメリハリを効かせよう。写真のように上半身がライトグレーなら、パンツはダーク系。逆に、上半身がダークトーンならパンツを明るめに。
Study
近しいトーンだとさえない印象に
シックで知的な印象を与えるグレーコーデだが、上下トーンを近い色同士でまとめてしまうと、装いがぼやけてしまい、キレがない印象に。上下、内外で色の濃淡を意識したい。