2021/11/17
①ふるさと納税サイトや気になった自治体のサイトなどで、欲しい返礼品をピックアップしておく。
②自分のふるさと納税上限額を確認する。
③寄付の手続きをする(クレジットカード利用可)。
④自治体から返礼品と証明書(寄付金受領証明書)を受け取る。
⑤確定申告など控除の手続きをする。

納税者のその年の収入がフィックスするのは毎年12月だから(会社員の場合は12月の給与明細と一緒に配られる「源泉徴収票」で確認できる)、ふるさと納税の申し込みは例年12月に集中する傾向がある。実はそうした「駆け込み寄付」が金額ベースで約3割を占める。ただし、毎月25日が給料日の会社員だと、源泉徴収票の配布から年末の締め切りまでに数日しか残されていない。土壇場で慌てないためにも、前年の収入などを参考に11月のうちから①の返礼品ピックアップを進めておくといいだろう。

返礼品、高級生食パンや電動キックボードも 

コロナ禍でのふるさと納税活況の背景には、食料品から家電、パソコンにいたる、返礼品の「充実した品ぞろえ」が挙げられる。中には、高級生食パン(群馬県榛東村など※)や電動キックボード(茨城県常総市※)など、ヒット商品やいま話題の商品も数多く含まれている。※いずれも21年11月現在

昨今の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)への意識の高まりを受け、自治体やふるさと納税の事業者の間でも、様々なプロジェクトが生まれている。

例えば、外務省による「第1回ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞した北海道下川町は、ふるさと納税の寄付金を活用して地域エネルギー自給や脱炭素化などの課題に取り組む。一方、このアワードの受賞団体ではないが、佐賀県は、ふるさと納税制度を活用して「こども宅食応援団」を支援している。この応援団は、経済的に困窮している子育て家庭に食料品を届けることで、見守りや必要な支援につなげていく活動をするもので全国展開を目指している。この活動資金の主体に、ふるさと納税の寄付金が使われている訳だ。

最近は、SDGsに関連したふるさと納税型のクラウドファンディングも増えてきた。一例が京都市で、民間のふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」によるガバメントクラウドファンディングを活用して21年の年末まで、iPS細胞(人工多能性幹細胞)をはじめとした再生医療技術の実用化に向けた研究支援の寄付を募っている。こうしたクラウドファンディングは、高額所得者のまとまった額の寄付の受け皿になるのに加え、平均的な年収の人でも限度額の枠が少し余った際にその分の寄付先にしやすいとあって使い勝手がいい。

SDGsの流れは、返礼品にも及んでいる。環境に配慮してつくられたもの、廃棄物を再利用したもの、フードロス削減を意図したものなどが続々登場。ふるさと納税サイトの中には、SDGs返礼品を集めた特集ページを開設しているところもある。

増える災害 被災自治体の復興支援も

近年は気候変動を裏付けるように自然災害が急増。静岡県熱海市の土石流や小笠原諸島の海底火山の爆発による大量の軽石の漂着は記憶に新しいところだ。こうした災害発生時に被災自治体に対し、ふるさと納税の制度を活用してスピーディーに復興支援の寄付を行うことも可能だ。一部のふるさと納税サイトには、被災自治体の業務負担を減らすために、被災していない自治体が被災自治体に代わって寄付を受け付けるというサポート制度も用意されている。

このように、ふるさと納税は単に「税金が軽減されて返礼品がもらえるからお得」というだけではなく、使い方次第で、寄付者とその家族に加え、社会全体を豊かに変えていく大きな可能性を秘めている。納めた税金の有効活用、さらには「地球市民」としての責任という見地からも、積極的に活用していきたい制度だ。

まだ寄付をしたことがないというあなたも、今年から最初の一歩を踏み出してみてはいかがだろう? 次回は、「いろいろあり過ぎて選べない!」と言われる返礼品の効率的な選び方をご紹介する。

(ライター 森田聡子)

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