大戦中のモデル復刻 英ブランド70周年記念の一着

東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS(セプティズ)」の白木凜太郎氏にも話を聞いた。選んでくれたのは、英国発の老舗ブランドGLOVERALL(グローバーオール)がブランド創設70周年を記念して作った「MONTY」。第2次世界大戦中の英国海軍のダッフルコートを忠実に再現した一着だという。

1951年に創業した英国のコートブランドの一着。大戦中に着用されたモデルを再現している。麻ひもを用いたトグルや着脱可能な襟元のチンストラップ、裾裏のレッグホルダーなど特徴的なディテールが満載。GLOVERALL / MONTY 70周年記念モデル 8万3600円

「厚みのあるメルトン生地はミリタリーウエアらしい武骨さがありますが、トグルの数が3つと少なめなので、シンプルで洗練された印象も感じられます。トグルに刻印が入っていたり、生地の裏側にブランド名のステンシルが入っていたりと、70周年記念モデルの特別なディテールにも注目していただきたいですね」

メード・イン・イングランドを貫いているグローバーオール。ブランドタグには70周年記念の文字が
生地裏にブランド名のステンシルが入る限定デザイン。裾裏には身頃のバタつきを抑えるレッグホルダーが付いている

グレーとキャメルの2色があり、白木氏はキャメルがおすすめという。

「仕事用のアウターを探しているビジネスマンや、ブランドの根強いファンの方、トレンドに敏感な方に至るまで幅広いお客様に人気のカラーです。黒のプレーントゥシューズやフランネル素材のスラックスと合わせてトラディショナルに着こなしていただきたいですね」

キャメルは明るく柔和な色味。幅広い色のアイテムと相性がいい
ニットの上に着た冬らしい着こなし例。黒っぽい服が多くなる秋冬の街にも映えそうだ

新感覚のダッフルコート ツイードの質感をハイテク素材で表現

「ダッフルコートに『学生っぽい』という印象を抱かれる方は確かに多いですね。とはいえ、今実際に着ている学生はあまり見かけません。一昔前のイメージにとらわれて手を出さないのはもったいないと思いますよ」

そう話すのは「JOURNAL STANDARD MEN'S 表参道」の青木志門氏だ。紹介してくれたのは、日本発「DAIWA PIER39(ダイワ ピア39)」の一着だ。

釣り具用品ブランド「DAIWA」が手がけるブランドの一着。見た目、質感ともにウールツイードを再現した軽量なポリエステル生地を採用している。前面の大きな2つのポケットの内側には仕切りがついており、持ち物の整理もしやすい。 DAIWA PIER39 / GORE-TEX INFINIUMTECH TWEED DUFFLE COAT 9万200円

「最大の魅力は高い技術を生かしたオリジナル生地です。ウールのような肌触りですが、実は軽量なポリエステル素材を採用しています。内側にはゴアテックスのフィルムを使っていて、防風性や保温性にもすぐれていますね。レザー調の素材を採用したトグルも、よくある麻ひもより大人っぽい印象です」

ステンカラーコート風の襟、大きめのポケットなど、ユニークなデザインが目を引く一着だ。どんなイメージで着こなせばいいだろうか。

ダッフルコートとしては珍しい襟付きのデザイン。フードを取り外せば、さらに洗練された印象を演出できる
生地の質感はクラシカルだが、ワイドパンツやスニーカーを合わせればカジュアルに着こなせる

「上品な着こなしとラフな着こなし、どちらにも合わせられるアイテムです。革靴との相性もいいのですが、休日着として取り入れるなら、ワイドシルエットのパンツやニューバランスのスニーカーと合わせるのはいかがでしょうか」

文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)


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