「見える化」を推進、若手もビジュアルデータ作成

――それでもデジタルに懐疑的な人はいますよね。

「何でも効果を『見える化』すると分かりやすいと思います。今回の取材も大型ディスプレーでビジュアルに表やグラフを見せながら、説明していますが、都庁の会議ではもう紙の資料を配ったりしません」。

「そんな中で都庁の若手職員から、自分の意思で予算などのデータをビジュアル化する人も現れました。エクセルの数字ばかりの表を見せられてもピンときませんが、可視化すると一目で課題などを見つけやすい。今はプログラミングができなくても、ノーコードで簡単に作成できます。デジタルは役立つと思う職員は確実に増えています」。

DX化の専門組織を設立、ICT職も

――デジタル化の次はDX化ですね。都は地下鉄やバスなど交通、上下水道など多様なインフラ事業も支えています。今後労働人口が減少する中で、抜本的に業務を効率化したり、合理化したりする必要に迫られています。東京のDX化はどう進めていきますか。

「DX化推進の『船』が必要だと思い、21年4月にデジタル施策の専管組織であるデジタルサービス局を設置しました。都庁には事務職のほかに、土木職や建築職、電気職、機械職など技術系の専門職がありますが、新たにICT職を新設しました。外部からも積極的に採用しています。現在、同局の人員は300人規模で、都内の区市町村も含めたDX化の推進部隊となっています。ここが司令塔になって、都庁の職員のリスキリングもリードして都のDXを進めていくわけです」。

――自治体にICT職とは画期的ですね。

「都庁の約4万人の職員のうち8千人は土木など専門職。彼らが技術系の各部門を支えているわけです。やはりデジタルの専門人材がいないと、船は出航できません。都庁に入り、このデジタルの船をつくることが念願でした。ここからDX人材の育成を本格化してゆきます」。

◇宮坂副知事のインタビュー(下)は17日公開予定です。

(代慶達也)