2021/11/13

国際機関では年功序列の文化もない。同じポストに30代も50代も対等に挑戦でき、若くても能力があれば抜てきされる。中高年の経験も尊重され、役職定年制もなければ窓際に追いやられることも少ない。異動や転勤は組織内の流動性や職員のキャリア形成のために推奨はされるが強制ではなく、個人の希望で決まる。

無駄な残業もなく、テレワークや時間差勤務もしやすいので仕事と家庭の両立も十分可能だ。人事評価制度や育休、休職制度も確立されており、スキルアップやリーダー育成のための研修も充実している。常に成果は求められるものの、長期雇用が主流なので、仕事の安定は担保されている。

ジョブ型は多様性を高め、働く人たちを組織から解放する。適材適所で組織の生産性やイノベーションを高め、日本の国際競争力も強まるだろう。ジョブ型を恐れるのではなく、導入に向けて思い切って舵(かじ)を切る覚悟が必要だ。

児玉治美
アジア開発銀行(ADB)駐日代表。国際基督教大学修士課程修了。国際協力NGOジョイセフにて東京本部やバハマに勤務した後、2001年から国連人口基金のニューヨーク本部に勤務。08年からADBマニラ本部に勤務。19年5月から現職。途上国の子どもを支援するプラン・インターナショナル・ジャパン評議員。

[日本経済新聞朝刊2021年11月8日付]