ダボスで感じた世界潮流 アーティスト・スプツニ子!ダイバーシティ進化論

2023/2/16

1月中旬、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が開かれたダボスへ行ってきた。通例通り1月に対面開催されたのは2020年以来で、私にとっても3年ぶりのダボスだった。今回はそこで見たこと、感じたことを共有したい。

ダボス会議の名物のひとつが会議場の外の大通りに並ぶ企業のパビリオンだ。人工知能(AI)やコンサルティングなどのグローバル企業がバーを借り上げたり、仮設の建物をつくったりして自社を売り込む。3年前と比べて大きな違いだと感じたのが、今回ほぼすべての企業がESG(環境・社会・企業統治)に関連したメッセージを発していたことだ。

自社事業の単なるPRではなく、ジェンダー不平等や地球環境への取り組み、ウクライナ支援などを全面に出していた。20年にも兆候はあったのだが、真正面から社会課題に向き合う姿勢を打ち出すことが、投資を呼び込むうえで欠かせなくなっていると実感した。

そうした社会課題に向き合ううえで大事なのは現状を分析し、将来予測を可能とするデータではないか。今回の会議のテーマは「分断された世界における協力の姿」だった。今年はあちこちでデータ化の重要性も指摘されていた。分断されがちな人や企業、国同士が協力する際、客観的なデータは共通言語になると改めて考えさせられた。

写真はイメージ(PIXTA)