検索されやすい医師が有利に

ところが、アフターコロナ時代では従来の常識が一変してしまうはず。ネットがあるところであれば、どこで開業しても人気ある開業医になることができます。SEO(検索エンジン最適化)対策を、ガンガンして「規制破り」をする医師のほうが成功する時代となりました。ネット空間では、すぐ隣に競合がひしめき合います。都心にいなくても過疎地で開業しても、同レベルの医療ができる時代になります。特に生活習慣病や肥満の治療は大きな変化をもたらすでしょう。

そうなると、オンライン医療で、あるプラットフォームにおいて検索されやすい、検知されやすい医師や医療施設が有利になります。自由診療の世界では完全にそうした時代が到来しています。今後は保険診療も同じ潮流になっていくのは間違いないようです。

そういう時代になればなるほど、「誰が名医を、どういう理論で決めるのか」というアルゴリズムをもつプラットフォーマーが権威をもつ時代がきます。現在のところいまだ日本では「オンライン医療なら、この企業」というプラットフォーマーがいるようでいません。オンライン医療の普及率が低いからです。国民皆保険に守られすぎていて、医師なら皆平等という意識が強いからかもしれません。

ところが、そうこう言っているうちに、「プラットフォーマー」が最も力を持つ立ち位置に変わるに違いありません。どの医療施設を、どういうアルゴリズムによって、検索順位で上に表示するのか、それだけで、すべての医師たちの競争を牛耳ることができる「権力者」になれるからです。

今後、日本でもオンライン医療が普及してくれば、「オンライン医療と言えば、○○」という代名詞のような事業体が頭角を現すはず。その事業体が、医療業界に影響力を持ち、開業医、病院の勤務医の収益構造を変えていくことすら考えられます。その事業体は、とても慎重に、丁寧に創られなければいけないと私自身は考えています。

2022年4月にオンライン診療に関する「診療報酬改定」が行われ、そこに焦点を合わせオンライン診療を宣伝する会社も増えてきました。ですが、もう少し様子を見て、本当に利便性が高い「オンライン医療」を採用するべき時代がくると、私は思います。それも最小限のコストと手数ででき、最大限の収益を生み出し得る「オンライン医療」の仕組みがあってしかるべきと考えます。

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アルゴリズムの理想、「学問のすすめ」に