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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。まん延防止等重点措置が解除されたこともあって、土日を中心に客足は上向き基調だ。ビジネス書の売れゆきもやや持ち直し、さらなる回復に期待がかかる。そんな中、書店員が注目するのは、仮想空間「メタバース」に振り切って研究開発を続ける起業家が、メタバースをめぐって思考実験と考察を繰り広げた一冊だった。

著者はメタップス、スペースデータの起業家

その本は佐藤航陽『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』(幻冬舎)。著者の佐藤氏は早大在学中の2007年、ビッグデータ解析やオンライン決済のIT企業(後にメタップス)を起業、15年に東証マザーズ上場し、年商200億円の企業に育てた。その後、17年にメタップスを離れ「メタバースの領域の事業をゼロから自分で立ち上げる」としてスペースデータ(東京・新宿)を設立した。そこから5年の思考と研究開発を踏まえて書かれたのが本書だ。

「評価が真っ二つに分かれるメタバースを、私たちはどのような姿勢で受け止めるべきか」。序章「メタバースとは何か?」を著者はこう書き起こす。インターネット以来の革命という人もいれば、あんなものはいかがわしいとバカにする人もいる。それでも巨大IT企業の米フェイスブックがメタに社名変更し、「メタバースに全振りしていく」以上、革命的な変化が起きる可能性はないと考えるのはちょっと無理があると著者は見立てる。

こうした前提に立ってメタバースの「歩き方」と「創り方」をめぐり思考を展開していく。「インターネット上に作られた3D(3次元)の仮想空間」であるメタバースがなぜそれほどまでに大きな変化をもたらすのか、テクノロジーの進展の歴史をひもとき、NFT(非代替性トークン)、Web3(ウェブ3)といった最近よく耳にするバズワードにも目配りしながら読み解いていく。

広告・企画系の書棚の1段にメタバース関連本を集めて展示する(リブロ汐留シオサイト店)

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