――サービス開始については、業界やユーザーからどんな反響がありましたか?

「お客様からはとてもいい評価をいただいています。今までは、高性能のGPU、ゲーム機、パソコンが必要だったゲームがスマホでも、ストリーミングでプレーできるという点が好評です。『Microsoft Surface』シリーズなどのパソコンでも気軽にプレーできるので、感触は非常にいいですね」

――現状、サービス名は「Xbox Cloud Gaming(Beta)」とベータ版になっています。

「これが完成版ではなく、ユーザーの皆さんからフィードバックをいただいて、常にアップデートをしていくという我々の意思表示です。スマホでの操作性やレイテンシー(遅延)、ネットワークスピードなど事業者と共に改善を進めているところですが、ゲームをプレーする上でレイテンシーが発生しないようにすることは特に重要だと思っています」

「Xbox Cloud Gaming(Beta)」のイメージ画像。Xbox Cloud Gaming(Beta)では、Xbox Series X|Sに加え、PC、スマホなどさまざまなデバイスで、場所を問わずゲームをプレーできる

――パッケージでの売り切り型の時代と比べて、好まれるタイトルの傾向などに変化はあるのでしょうか。

「傾向はあまり変わっていませんね。ただ、従来だったら買っていないかもしれないけれど、ちょっとやってみたかったゲームに触ってみるという人たちが増えています。また、若い人たちが複数でプレーするとき、以前ならそのゲームを持っていない人は買わないといけなかったわけですが、今では、Game Passに入っているから一緒にプレーできる。プレーヤーの裾野が広がってきたことで、プレーするゲームジャンルの幅も広がってきているところはありますね」

――サブスクリプションになると、それほどメジャーなタイトルでなくても目にしてもらえるチャンスがある一方、(リアルタイムで)人気のゲームとそうでないゲームの差が鮮明になってしまうところがあります。AI(人工知能)の活用を含めて、プラットフォームとして埋もれがちなゲームをどう掘り起こしていくのでしょうか。

「例えばインディーゲームも我々が盛り上げようとしているところですが、開発者が大規模なテレビ広告を打てないゲームであっても、Xboxのプラットフォームを通じてお客様の手に渡り、コアファンの中でバズって広まっていくケースは過去にもたくさんありました。店頭では1番目のチョイスに入らなかったゲームでも、Game Passを通じてお客様が触れられるという環境ができていますので、幅広いゲームをお客様に知っていただくことはやっていかないといけないと思います」

Xbox向けにゲーム開発・配信する小規模デベロッパー向けのサポートプログラム「ID@Xbox」を展開

――21年10月には、Windows 11がリリースされました。ゲームのプラットフォームとしてのWindowsも強化されています。

「Windows 11によって、ゲームがよりきれいに、快適にプレーできるようになりました。例えば、(映像の輝度を自動的に調整し、視認性を向上させる)『Auto HDR』や起動スピードを速くする『Direct Storage』といった機能が追加されました」

「もう1つ重要なのが『Xbox Game Bar』を使ったゲームプレーの録画機能です。Windows 10から搭載しているのですが、自分のゲームプレーを友達と共有したり、SNSにアップしたりする操作はWindowsと高い親和性があります。『Gaming for Everyone』の戦略を進める中で、ゲームを見る楽しみも充実させたいので、プレー中の様子を録画できるXbox Game Barは非常に重要な機能です」

マイクロソフトは2021年10月、6年ぶりにWindowsをメジャーアップデート。新しい「Windows 11」では、「Windows 10」のゲーム関連機能を引き継ぎ、「Xbox Game Bar」にまとめた

――現在、ゲームのプラットフォームがいくつかある中で、Xboxはどういうポジショニングなのでしょうか?

「もともとは『海外ゲームのプラットフォームで、ちょっとハードルが高い』と思っているお客さんが多かったですが、その印象はだいぶ変わり、ハードルが低くなってきたかなと感じています」

「とはいえ、認知度はまだまだなので、日本の幅広いユーザーに『Xboxはすごく楽しいプラットフォームですよ』としっかりと訴求したいですね。Xboxは他のプラットフォームとは違って、ゲーム機が基点ではなく、遊びたいゲームを、遊びたいデバイスで、いつでも遊べるというところを目指しています。Xbox Series X|Sを買っていただいてもいいですし、自分のPCでプレーをしていただいてもいい。Xboxというプラットフォームをもっと幅広い人に理解いただいて、自分の好きなデバイスでXboxの世界に入ってきていただくことが『Gaming for Everyone』につながる第一歩かなと思っています」

(文 吉岡広統=東京ゲームショウプレスチーム)

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