ステーキロッヂの「草原育ちの生ラムジンギスカンステーキ」(200グラム、1639円)。352円でスープ、大麦を加えたライスとセットにできる(午前11時~午後3時までは無料)

鶏、豚、羊肉を食べたい理由は「体にいいから」。鶏は脂が少なくたんぱく質が多い肉で、豚はビタミンB1が豊富な食材として知られる。そこで、ほかのステーキ店との差別化を図るためにも、同店は機能性を意識した肉を使ったメニューの導入を決めた。その1つがラムだったのだ。

ラム肉は、高たんぱくで低脂質。牛肉などに比べ鉄分が多く、脂肪の燃焼を助けるL-カルニチンも含まれる。また、牛、豚、鶏に比べ脂の融点が高いため、脂肪が体に吸収されにくいという。これが想定以上に客にアピール。「宣伝をしなくても、お客様がSNSでメニューを発信してくださり、話題になった」と福田さん。21年8月には、ラムステーキは客のオーダーの1割を占めるまでになった。

トウガラシをたっぷりかけた「草原育ちの生ラムジンギスカンステーキ(レッド)」(200グラム、1749円)

当初はラムチョップの形での提供も考えたが、ステーキハウスという業態では食べにくい料理は客が喜ばないだろうと、小さめにカットした薄切り肉を野菜と一緒に鉄板に盛り付けた。初めは厨房で焼いた肉を出していたのだが、同店のビーフステーキは熱した鉄板の上で自分好みの焼き加減で食べる方式。

ラムも同様の形で食べたいという客の要望を受け、2021年11月下旬からは、主なラムのステーキメニューをレアの状態で提供し、各人好みに火入れできるように変更した。このメニューでは、肉も当初の冷凍肉から「生ラム」と呼ばれる冷蔵肉に変更。使用するのはオーストラリア産の肩ロースで、以前より厚切りになりステーキらしい食べ応えがあるメニューだ。

付け合わせには、モヤシやニラ、ピーマン、キャベツがたっぷり170グラム盛られ、見るからに健康的だ。生ラムステーキは、「草原育ちの生ラムジンギスカンステーキ」とこれにトウガラシをふんだんにかけたメニューの2種類なのだが、いずれも最低で200グラムからとボリューム感あふれる。

ところが、これが意外にすっきりと胃に収まる。肉にサシが入っておらず、たれも薄めの味なので、あっさり食べられるのだろう。女性客も目立ち、ラムを食べに週1で通うリピーターもいるそうだ。

ラムと泡:スパークリングでラムを味わう

ラムと泡の「生ラムチョップ」(1グラム8.5円)
ラムと泡ではスパークリングワインの卓上サーバーが各席に設けられている

21年10月には、東京・新橋に日本初というスパークリングワインの卓上サーバーが各席にそなえつけられた店「ラムと泡」がオープン。店名通りメニューには、生ラムを使ったラムチョップをはじめとするラム肉料理がずらりと並ぶ。

スパークリングワインは45分注ぎ放題で555円と破格、気軽に酒とラム料理を楽しめる店だ。毎日ジンギスカンを食べることはなくても、居酒屋やステーキハウスならば日常使いがしやすい。ラムを食べる機会はこれからぐっと増えそうだ。

(ライター メレンダ千春)

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