
「紅茶をベースにショウガ、レモン、ウスターソースなど全部で11種類の素材を加えて作っています」
香りの個性が強い素材を組み合わせながら、どれか一つが突出しないよう、丸くきれいに調和させるのがプロの技の見せどころといえそうだ。この期間、「あのハイボール」を飲んできた常連さんからは、アルコールが解禁になってからも時々飲みたいという声が聞こえるようになった。
「ウイスキーのように保存性が高くないのが難。仕込みをこまめにする必要があるので、不定期でなら出していけると思います。10月中は続けますので、確実に“あの”を飲みたい方は、今のうちですよ」


ちなみに、2番人気はビターシロップをノンアルビールで割った「ビタール」(1100円)。途中から加わった「ソルティーゆずボール」(1100円)も好評で、引き続き提供している。外で飲めない間、お酒に弱くなったという人は、モクテルを間にはさみながらゆるやかにバー復帰してみてはどうだろう。
「バー ウェルク」 果物やハーブ、スパイス使ったモクテル

「お酒が飲めないからバーに行きづらかった」という潜在層を意識して営業を続けたのが東京・神宮前の「Bar werk(バー ウェルク)」だ。料理家の長尾智子さんが料理を監修し、バーテンダーの成田玄太さんがカウンターをあずかる同店では、長尾さんのレシピ本の世界をリアルに体験できる場としても人気が高い。女性客が圧倒的に多いのも特長だ。
アルコールに弱い人のなかにも、お酒を飲んでいる感覚になれるような、ドライですっきりとした大人のモクテルを求めている人は多いはずだが、甘いモクテルやジュースのようなモクテルに出合う確率のほうがまだ高い。その意味でウェルクは大人のモクテルに出合える貴重な一軒だ。