――収まりの良さというと?
「試着して鏡を見た時に、いいと思えるかどうかですね。例えば、肉厚なニットを着て、少しでも着膨れするように感じたら控えた方がいいと思います。試着室から出てくるお客様を見ていると、似合っていると感じた時には、自信が表情や身ぶりに出ているのがわかります。収まりがいいというのは、そういうことだと思います」

――とにかく試着してみることが大切なのですね。
「そうですね。もう一つ欠かせない要素がシルエットのバランスです。ニットを一枚着るだけでは判断できないので、試着する際はパンツとの兼ね合いにも注目しましょう。ニットがパンツに対してゆったりしすぎていたり、逆にタイトすぎる場合は控えましょう。ニットを買いに行くときには、自分が一番よくはくパンツを身につけていくのがいいと思います」
グラフィックTと合わせて遊び心を演出
――今回はニットを使ったコーディネートを3組用意してもらいました。まずはカーディガンを使った着こなしですね。
「STILL BY HANDのカーディガンです。フロントがボタンではなくジッパー式になっているところがユニークですね。シルエットがゆったりしていますが、生地に厚みがないので、上からもう一枚羽織ったり、インナーに着込んだりと幅広い着こなしができるのもポイントです。今回はビビッドな色合いのグラフィックTシャツと合わせて遊び心を出してみました」

――パンツはどう選んだのですか?
「コーディネートのアクセントとして、フランス発のHED MAYNER(ヘド メイナー)の一着を取り入れました。前面だけでなく背面にもプリーツが入った、立体的なシルエットが特徴です。実は生地にカシミヤが混紡されているので、はき心地も抜群です」
――他ではあまり見かけない独特なシルエットです。着こなしのポイントは?
「腰を落とさず、適切な高さでパンツをはくことですね。ブランドが想定している、最も美しいシルエットを見せることができますから。10代、20代は好きに着崩すことが“かっこいい”とされますが、30代以降の大人は、ブランドの思想を重んじた方がかっこいいと思います」


――シューズはコンバースのチャックテイラーですね。
「Tシャツのグラフィックにピンクが用いられているので、それを拾う形でバーガンディの一足を合わせました」

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