『ライフ・シフト』に続編 人生100年時代の行動説く紀伊国屋書店大手町ビル店

レジ近くの通路が交わるところに置いた平台に前著と並べて展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。緊急事態宣言が解除されて1カ月が過ぎたが、都心オフィス街の人出はコロナ禍以前の水準には戻っていない。新刊書への反応が鈍い傾向も変わっていない。そんな中、反転の兆しになりそうな期待の新刊が刊行され、書店員も注目している。2016年に刊行され、人生100年時代の生き方を提示してベストセラーになった『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の続編だ。

長寿化と技術の進化で人生の選択肢は?

その本はアンドリュー・スコット、リンダ・グラットン『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2)』(池村千秋訳、東洋経済新報社)。邦訳版のタイトルは文字通り『LIFE SHIFT』の続編だ。前著は「100年時代の人生戦略」が副題だったが、今度の本は「100年時代の行動戦略」を副題にうたう。「新しい長寿時代」をどう生きるか、どのように働くか、世界各地のさまざまな年代のモデルを登場させて提示する内容だ。さらには企業や教育機関、政府がどのように変わるべきか、集団レベルの行動変容にも言及していく。

「はじめに」の中で本書はどのように生まれたかが語られる。前著刊行後「著者2人が多くの人と交わした会話から生まれた」といい、そうした会話で人々が聞きたがるのは「テクノロジーの進化と長寿化の進展の組み合わせによって生まれる問題についてだった」という。その2つの組み合わせは「どのような問いを生み出し、どのような選択肢をつくり出すのか」。本書はそこを検討する。

そのために設定した架空のキャラクターは7人。インドのムンバイで専門職のフリーランスとして働く20代後半の独身女性から英バーミンガム近郊に住む71歳の元エンジニアの男性まで、多様な年代のさまざまな地域で生きるキャラクターが登場する。そうした多彩な目を通して変化の様相を見ていく。日本人も登場する。金沢に住む20代半ばのカップルという設定だ。

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