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今年7月の参院選で女性の当選者数が過去最多になった。さらなる女性の政治参画が求められる一方で、長時間労働を当然とする男性中心の働き方や、家族を巻き込んだ議員活動への周囲の反対が、進出の壁になっている。現職の女性議員の夫らは、家族として、現状にどう対応しているのか――。模索する姿を追った。

主夫に転身 「男性は稼いで家族を養うもの」と葛藤も

前衆院議員、高木錬太郎さん(50)の1日は午前5時半に洗濯機を回すことから始まる。その後、高校生の長女の弁当や家族の朝食づくり。子どもを送り出したら、塾通いする中学生の双子の軽食を作り置く。掃除をすませ、9時にようやく自身も事務所に出発だ。

錬太郎さんの妻は7月の参院選で初当選を果たした高木真理参院議員(55)だ。議員の仕事は不規則で、作業を持ち帰ることも多い。飛び回る妻の代わりに錬太郎さんは「主夫」として、家事育児を引き受ける。

高木錬太郎さん(右)は家事育児全般を担い、参院議員の妻を支える(本人提供)

高木錬太郎さん(右)は家事育児全般を担い、参院議員の妻を支える(本人提供)

「やったらいいよ」。参院選前、立候補すべきか悩む真理さんの背中を押した。さいたま市議、埼玉県議を計19年務めてきた妻にとって、満を持してのチャンスだと思ったからだ。

双子を含め3人の子どもがいる真理さんと錬太郎さんは、その時々で互いに家庭と仕事のバランスを調整してきた。錬太郎さんが最初に主夫になったのは、真理さんの市議時代。参院議員秘書の仕事を辞め、家事育児に力を注いだ。

葛藤はあった。「男性は稼いで家族を養うものという固定観念にとらわれ、不満が態度に表れていた」。そんな自分が家族を悲しませているのを目の当たりにし「妻が議員として思う存分活動できるようにしよう」と気持ちを切り替えた。

2017~21年に錬太郎さんが衆院議員を務めた際には、真理さんが県議の傍ら家事育児全般を担った。その後、錬太郎さんは21年の総選挙で落選。再び家事育児担当になった。

夫婦で家事育児を補完し合いながら妻を国会に送り出す、という目標をかなえた錬太郎さんは、生活課題に詳しい強みを生かし、国政復帰を目指す。

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