日経xwoman

2022/6/13

世の中が変わるスピードは、超スローペース

最近は、皮肉にも人材不足などの影響により、資本主義社会が多様な人材を必要としていることも相まって、これまでの画一的な価値観から多様な価値観を受け入れようとする動きが活発だ。

コロナによって日常が奪われた代わりに「当たり前だと思ってたけど、これっておかしくない?」ということが議論され、変化が求められるケースも複数見てきた。

しかし実際、現実はなかなか変化しない。

「世の中が少しずつ変わっていっている」「やっと声をあげられるようになった」と言いながら、世の中が実際に変わるスピードは、仕方がないけれど超スローペースだ。

女友達は泣く泣く名字を変えて結婚した。とある男性は職場の空気が怖くて育児休業を十分に取ることができなかった。オンライン会議でセクハラのような発言で罵られる人を目撃した。

世の中よ、はやく変わってくれ。

こんなことなら、「仕方ない」と諦めていた頃のほうが良かったのではないかと思うほど、悔しいこともある。何も知らずに、理不尽を当たり前のことだと思っているよりも、「コレは変だ」と気づいていながら、それを甘んじて受け入れる日々を生きるのは、結構苦しい。

2020年代前半に結婚したり、子供を産んだり、会社でそれなりに責任のある仕事を任されたりしているのはきっと20代後半以上の人が多いだろうか。ギリギリ、ミレニアル世代――29歳の私もその一人だ。

思い返せば、我々の世代は、インターネットによって急速に変わりゆく暮らしの変化も見つめてきた。中高生の頃にはじめての携帯電話を手に入れ、「インターネットで知らない誰かとつながる」面白さに熱狂し、SNSで友人のプライベートな日常が見られることに楽しさや疲れを感じながら生きてきたのだ。

そして我々より下の世代は 「インターネットネーティブ」と呼ばれている。ネーティブになれない最後の世代、それが私たちなのである。

我々ミレニアル世代は変化する時代を生きるトップバッター、そして変わりゆく時代の継ぎ目の世代。「変わるべき」ことを知り、変わっていくことに熱狂しながらも、変わる苦しみや変わらない徒労に振り回されながら生きていく。

「ミレニアル世代は、インターネットによって急速に変わりゆく暮らしの変化も見つめてきた」
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世の中は、私たちの世代から変えていく