ユニコーンファーム社長の田所雅之氏「産業の新陳代謝が必要」

インパクト投資や社会課題解決を目的とするインパクトスタートアップの事情に詳しい田所雅之さんに、ブームの背景や今後の展望を聞きました。田所さんはスタートアップ向けサービスのユニコーンファーム社長で国内や米シリコンバレーでの起業経験もあります。

――なぜ今インパクト投資やインパクトスタートアップが注目されているのでしょうか。

田所雅之 ユニコーンファーム社長

「いくつかの背景がありますが、まず金融の領域で、機関投資家などがESG(環境・社会・企業統治)を勘案しない事業に投資しなくなったことが大きいと思います。これがお金の流れや投資家の発想を変え、インパクト投資を重視する流れにつながっています」

「技術動向も深く関係しています。高速通信規格の5G、あらゆるモノがネットにつながるIoT、人工知能(AI)、仮想現実などのXR、ブロックチェーンといった2010年代までに開花した技術が成熟し、社会課題解決に適用しやすくなりました。SDGs(持続可能な開発目標)の課題にこうした技術をかけ合わせてどんな社会へのインパクトを生めるかが設計しやすくなっています」

「また、見逃せないのが、若い世代を中心とする意識のあり方です。20~30代のミレニアル世代やZ世代は、成長よりはサステナブルなことに魅力を感じ、社会の格差や貧困といった社会問題に敏感です。彼らの行動が消費の内容を変え、また、彼ら自身がインパクトスタートアップの担い手にもなりえるわけです」

――インパクトスタートアップの代表例はどこですか。

「インパクトの大きい企業としてはやはり米テスラが挙げられるでしょう。電気自動車(EV)の年間出荷台数がまだ60万台くらいですが時価総額が今年10月には1兆ドル(約113兆円)の大台を超え、トヨタなどを上回っています。テスラは自動車メーカーというよりは、カーボンニュートラル実現を目標に据え、地球を持続可能なものにする企業と自らを位置づけています。同社のホームページを見てもクルマの話はほとんどなくて、いかに次世代により良い社会を残すかということを言っています」

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