――2015年に約1900億円を投じ、英メーカーを買収したことにつながります。迷いはなかったですか。

「複合機やプリンターを中心とする事業構造からの脱却が急務でした。買収したのは飲料や薬品のラベルに製造年月日などを印字する機械のメーカーです。オフィスのように産業規模は大きくなくとも、いったん納入されると、10年以上はインクなどの消耗品で稼げます。TOB(株式公開買い付け)で安くはなかったですが、このチャンスを逃すと成長の芽を摘むことになると判断しました。迷いはありませんでしたね」

部下にはチャレンジさせる

――リーダーとして部下とどう関わっていますか。

「なるべく多くの社員と話し、性格や能力を知ろうとしています。適材適所の人事にもつながります。その際、接し方には気をつけています。例えば、繊細な人には特に優しく話しかけるようにしています」

「私は仕事に対する姿勢は厳しいと思います。それでも部下と接するときは、TPO(時・場所・機会)を考え、自分の感情をコントロールしています。指示などを適切な表現で伝えられるようになったのは、子会社を含め、トップとして多くの経験を積んだからだと思います」

――従業員への教育ではどこに力を入れていますか。

「トップは部下にチャンスを提供しなければなりません。部下の視野を広げ、チャレンジしたいと思える土壌をつくることが重要なミッションです。14年から『テリーのチャレンジ塾』を始めました。全従業員を対象に参加者を毎年募り、7カ月間のプログラムを受けてもらいます」

有志の社員らがスキルを学ぶ「テリーのチャレンジ塾」を毎年開催している

「今年は23人が参加しています。『会社を変えたい』『新規事業を育てたい』といった志を持っており、月1回、1回8時間くらい講義やディスカッションを重ねます。私も講師を務めています。期間中に3回は個別面談も行い、スキルやモチベーションを高めます。最後は各自が自分で設定した課題について、役員の前で報告してもらいます」

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