NIKKEIプラス1

転倒は屋外で起きる印象があるかもしれないが、実は室内も多い。改めて東京消防庁の救急搬送データをみると、発生場所の半数近くは住居。道路・交通施設の4割弱を上回る。自宅に潜む危険を意識する必要がある。

武藤理事長は転倒しやすい場所を「ぬ・か・づけ」と呼んで注意を促している。ぬれたところ(ぬ)、階段や段差(か)、片付いていないところ(づけ)を指す。日常の注意点としては「足のケアをしよう。外反母趾(ぼし)や巻き爪・陥入爪などがあると、歩きにくくなって転倒しかねない」と助言。つまずくことが増えてきたなと感じたら、つまずいた場所や時間帯、そのときの様子、服装などを日記につけるとよいという。つまずきやすい状況を自覚でき、転倒予防の指標になるためだ。

産業医科大学の佐伯覚教授(リハビリテーション医学)は「まずは適度な運動やストレッチで筋力と柔軟性を維持すること。階段昇降やウオーキング、短時間でほとんどの関節を使った動作ができるラジオ体操がよい」と勧める。

食生活では「筋肉の材料となるタンパク質が多い肉類、骨を丈夫にするビタミンDが豊富な魚類をしっかりとってほしい」と促す。脱水でめまいを起こして転倒してしまうのを防ぐため、水分補給もこまめにしておきたい。

高齢者の転倒リスクはよく指摘されるが、働き盛りの世代でも一歩間違えば大ごとになりかねない。転びにくい体づくりを意識したい。

(ライター 武田 京子)

[NIKKEIプラス1 2021年9月25日付]

「健康づくり」の記事一覧はこちら

日本の健康経営を推進するポータルサイト

健康経営優良法人認定制度における申請受付をはじめ、健康経営銘柄・健康経営優良法人認定企業の紹介、事例やデータ等を掲載。

>> 詳細はこちら