NIKKEIプラス1

数字に願いを込める慣習は、外国にもあるのだろうか。米、英、独などでは日本と同様に希望すれば好きなナンバーを選択できるが、多くは「1」や「7」のようなラッキーナンバーや記念日で、日本のような語呂合わせは、同じ漢字文化を持つ中国以外ではほとんどないようだ。例えば「1」は「イチ」「イ」「ヒト」「ワン」など日本の場合は複数の言葉に転換可能だが、アルファベットでは言葉の置き換えが難しいからだ。

トヨタ博物館(愛知県長久手市)には各国の名車が展示してある。中でもフランスの超高級車「イスパノスイザ K6」は、佐賀県の鍋島家の当主が自らデザインして手を加え、昭和中期の本物のプレートが付いたままの極めて珍しい車だ。そのナンバー「2518」は、唯一無二の存在を誇示するように「2個いや」と読めなくもない。

最近、カラフルな図柄が入ったナンバープレートがあるのにお気づきだろうか。これは2018年から国交省が地域の魅力を発信するために始めた「地方版図柄入りナンバープレート」。山形ならサクランボ、伊勢志摩なら鳥居といった地元ならではのデザインで、車を「走る広告塔」にする狙いだ。

数字に願いを込めることでより愛車感は増す。それは安全運転の意識向上につながるかもしれない。希望ナンバー制との関係は定かではないが、20年の交通死亡事故は初めて3千人を割り込み、ピーク時(1970年)の約6分の1に激減している。

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手元に残せる東京五輪記念プレート

東京2020オリンピック・パラリンピック特別仕様ナンバープレート

東京オリンピック・パラリンピックに合わせた特別仕様のナンバープレートも人気になった。2017年から交付が始まり、バスなども含め8月末までに280万件以上の申し込みがあった。プレートの右上に大会のエンブレムがデザインされ、千円以上寄付すると、全体に放射状のカラフルな図柄が入ったプレートを選べる。

このプレートは、不正使用できないように直径4センチの穴を開ければ、車体を手放した後も記念に手元に残すことができる。1964年の前回大会の時はこの制度はなかった。今大会のナンバープレートは、多くの家庭で掲げ続けられるに違いない。

(大久保潤)

[NIKKEIプラス1 2021年9月25日付]