日経プラスワン

発症の原因は不明なものも多いが「金属やラテックスアレルギー、自己免疫疾患の治療で行われる免疫グロブリンの投与が原因となる場合がある」と福田教授。中でも金属アレルギーが関与する事例は珍しくなく「検査でアレルゲンとなる金属を特定し、それを除去することで症状が軽快する事例もある」(福田教授)。

金属アレルギーによる皮膚炎には、金属が皮膚に触れて発症する以外に、歯科金属や食品中に含まれる微量の金属が、口腔粘膜や腸管から吸収されることで起きる全身型金属アレルギーによる皮膚炎がある。

イラストはイメージ=PIXTA

異汗性湿疹はこのアレルギーの一環として発症する。手のひらや足裏には汗管が多く分布し、汗に含まれる金属の濃度が高い部位とされている。このことが異汗性湿疹の発症に関わっていると考えられている。

発症の原因となる代表的な金属はニッケル、コバルト、クロムだが、食品から摂取するものも多い。例えばチョコレート、豆類、ナッツ類、香辛料、貝類、胚芽などに多く含まれる。松本副院長は「金属アレルギーのある人は、チョコナッツは避けるべき食品の一つ」と指摘する。

湿疹の症状が軽ければ保湿剤などで軽快することもあるが、痒みや痛みがある場合はステロイド剤の外用薬、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬などが処方される。

多汗症を伴う際はその治療薬が有効なこともあり「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の治療薬で症状が治まる事例も」と松本副院長。掌蹠膿疱症も金属アレルギーが発症要因の一つとされる疾患だが、発症の初期段階では異汗性湿疹と見間違いやすい。

異汗性湿疹は治療でいったん治っても発症を繰り返すことが多い。そのために皮膚が角化して硬くなりがちに。特に夏は汗で手足が蒸れる状況を避け、汗をかかずにすむ環境を整えたい。

症状に気づいた際は早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けるのが望ましい。

(ライター 仲尾 匡代)

[NIKKEI プラス1 2022年7月23日付]