よーじや、京都インバウンド重視は卒業 地元にエール

よーじやは観光客に依存していたブランド戦略を見直している

あぶらとり紙で知られるよーじや(京都市)が地元客を取りこむべくブランド戦略を見直している。2019年まで観光客が来店の中心だったが、新型コロナウイルス禍によるインバウンド(訪日外国人)消失や外出自粛が響き21年7月期の売上高はコロナ前の19年7月期比7割減った。改装店舗に体験コーナーを設置したり、商品数を見直したりすることで品質を訴える戦略に切り替えている。




地元客がリピートしやすい商品開発に注力

「京都発のブランドとして浸透していたこともあり、言い方は悪いがこれまでは努力しなくてもお土産として選んでもらえた」。京都土産の代表格として知られるよーじや。国枝昴社長は観光客に依存するあまり、地元客が店舗から離れてしまっていたと振り返る。

店舗は嵐山や銀閣寺など観光地周辺が中心で、コロナ前までは来店客のほとんどが観光客。特に外国人の比率は半分に近かったこともありコロナ禍の衝撃は大きかった。毎月2億円売り上げていた店舗が3500万円ほどになった時期もあったという。電子商取引(EC)も「土産物」というイメージを払拭できず、コロナ禍でも想定ほど伸びなかった。

よーじやは地元需要を取り込むために店舗戦略を見直した。その象徴は21年に改装した祇園の本店だ。コスメ売り場として使っていた2階をせっけんやメーキャップを試せる体験コーナーにした。「観光客が集まる祇園店はコロナ前までは回転率重視だった」(国枝社長)が、品質にこだわった商品を実感してもらえるようあえてゆったり過ごせる空間にした。

地元客が来店しやすい繁華街の店舗は日常利用の商品に特化。「まゆごもり」ブランドで展開しているハンドクリームなどはあぶらとり紙に並ぶ人気商品で、気に入ってもらえば定期的に来店も見込める。3月には地元の総合スーパーで移動販売を始めるなど商品を広める活動も始まった。

販売する商品も広い顧客から人気のある肌ケア商品や基礎化粧品を強化している。3月には春の時期に合わせ、花の香りをまぜた「はなほのか」のハンドクリームや香水を発売。21年秋からはゆずの香りのするハンドクリームも販売した。「これまでは桜や紅葉など季節に合わせてパッケージを変えてきただけで、新商品の開発は進めてこなかった」(同社)という。

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今後は「京都過ぎないブランディング」に